米仮想通貨取引所クラーケンは、米国のトレーダー向けにCME上場の仮想通貨先物取引へのアクセスを提供するデリバティブ・プラットフォームを立ち上げた。これにより、同社は機関投資家水準の取引ツールの提供を拡充している。
15日に発表された内容によれば、クラーケンはクラーケン・デリバティブUSのサービスを開始し、クラーケンプロを通じて先物契約へのアクセスを可能にした。これにより、現物市場に加えて先物市場を含む商品ラインナップが広がることとなる。
クラーケンプロによれば、クラーケン・デリバティブUSの利用はまずバーモント州、ウェストバージニア州、ノースダコタ州、ミシシッピ州、そしてワシントンD.C.の5地域で開始されている。
この新事業は、クラーケンが15億ドルで買収したニンジャトレーダーを通じて行われる。この買収は仮想通貨業界史上でも最大級のM&Aのひとつとされている。
買収前のニンジャトレーダーは、個人向け先物ブローカーとしての評価が高く、株式デリバティブを専門に扱い、商品市場へのアクセスも提供していた。
この取引が2025年5月に完了した際、クラーケンはクラーケンおよびニンジャトレーダーの両プラットフォーム上で株式、オプション、予測市場などの提供を拡充する方針を明らかにしていた。
コインマーケットキャップによれば、火曜日時点でクラーケンは1日あたり17億ドルを超える取引高を記録しており、依然として世界最大級の現物仮想通貨取引所としての地位を維持している。
仮想通貨デリバティブ市場、DEXの成長とともに急拡大
仮想通貨デリバティブ市場は、2017年末にCMEグループとCBOEがビットコイン(BTC)先物を上場して以降、大きく拡大してきた。
OKXのデータによれば、2025年には仮想通貨デリバティブ全体の取引量が23兆ドルを超える見込みとなっている。
この拡大を牽引しているのはビットコインのデリバティブであり、年初からの建玉は700億ドルを突破した。一方で、イーサリアム(ETH)やその他のアルトコインは依然として「流動性の課題」を抱えているとOKXは指摘している。
また、コインマーケットキャップのデータによれば、デリバティブ市場の中では永久先物(パーペチュアル)の成長が先物を上回っている。期限のない契約であるパーペチュアルの取引量は、過去1年間で150%増加した。
さらに、分散型取引所(DEX)におけるデリバティブ取引も急速に拡大している。dYdXの最新予測によれば、DEX上でのデリバティブ取引量は2025年に3兆5000億ドルに達する見込みで、これは昨年の1兆5000億ドルの2倍以上に相当する規模である。
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