韓国インターネット振興院(KISA)と韓国住宅金融公社が、ブロックチェーンベースの文書保管システムを開発する覚書(MOU)に署名した。韓国のニュースメディアNewsisが16日に報じた。

 KISAと住宅金融公社は、住宅ローンに関する電子文書を管理するためのブロックチェーンシステムを導入する。KISAは公社に対し、新システムの構築・運営に関する助言や技術を提供していく。中低所得家庭に住宅金融サービスを提供している住宅金融公社は、紙の文書を電子化し、オンライン登録の文書保管システムに移行させる。

 このシステムではブロックチェーンベースの自己証明サービスの提供も目標とされ、顧客のデータ保護を拡大し、効率化をはかっていく。住宅金融公社のジョンファン・リーCEOは、「我々のサービスを改善し、住宅金融公社の商品をモバイルで気軽に使えるようにしていく」と語った。

 04年に設立された住宅金融公社は国営企業であり、ウェブサイトによると、住宅資金の安定供給を援助することで韓国経済の発展をはかっている。KISAは科学技術情報通信部の下部組織で、韓国のインターネットのサイバーセキュリティの監督などを担う。

 教育界や金融業界、それに政府の様々な組織が、文書保管を安全かつ効率的に行うために、ブロックチェーン技術の可能性を探り始めている。6月下旬にはロシアの大学が、利用のしやすさや信頼性の向上のためにブロックチェーンを使って学位証の記録を保管する計画を発表した。この大学(金融大学)は、過去10年間に発行された学位証を分散型台帳テクノロジーにより記録すると述べた。

 またイギリスの国立公文書館はブロックチェーンを使った公文書保管を検討している。「アークエンジェル」と呼ぶプロジェクトで、文書変更の記録などをブロックチェーン上で記録しようとするものだ。