中央アジアで新たな仮想通貨拠点となりつつあるカザフスタンが、違法な仮想通貨活動の取り締まりを強化している。今年に入ってすでに数十の仮想通貨プラットフォームを閉鎖した。
カザフスタンの金融監視庁(AFM)は、マネーロンダリングに関与した130の仮想通貨プラットフォームを今年中に摘発したと、同庁の報道官がにコインテレグラフに明らかにした。
現地報道によれば、当局はこれらの違法取引に関連する仮想通貨1670万ドル相当を押収したという。
先週もAFMは、違法なマイニング事業から64万2000ドルを押収したと発表。カザフスタン政府が仮想通貨導入を推進する一方で、違法活動には厳格な姿勢を取っていることを改めて示した。
新たなマネロン対策を導入
当局は違法な金融活動を抑制するため、資金移動に関する新たな規制を導入する方針だという。
AFMのカイラト・ビジャノフ副長官によると、50万テンゲ(約925ドル)を超える金額を銀行カードにチャージする場合、送金者の個人識別番号(IIN)の確認が義務付けられることになる。
「従来は受取人のIINのみが必要だったが、今後は送金者側も対象となる。取引確認をモバイルアプリやSMSで行う仕組みも検討中だ」とビジャノフ氏は政府会議で述べたという。
130の仮想通貨プラットフォームを摘発
今年閉鎖された130の仮想通貨プラットフォームについて、AFMの広報担当者は「これらは一般的な中央集権型取引所(CEX)とは異なる」と説明する。
これらはむしろ従来の外貨両替所に近い形態で運営され、「仮想通貨両替業者」と呼ばれるケースが多いという。
AFMの統計によると、昨年閉鎖された両替型プラットフォームは36件にとどまっており、2025年は3倍以上の摘発件数となった。
一方、現時点でカザフスタン国内で正式に運営が認可されている仮想通貨プラットフォームは20社にとどまる。
この中には、業界大手のバイビットやホワイトビットなどの中央集権型取引所も含まれている。
中央アジアにおける仮想通貨ハブに
カザフスタンは近年、中央アジアにおける仮想通貨ハブとしての地位を確立しようとしており、その一環として厳格なマネロン対策を導入している。
同国はテザー(USDT)などのステーブルコインによる規制手数料の支払いを導入したほか、中央アジア初となるビットコイン上場投資信託(ETF)を立ち上げた。また、政府主導の仮想通貨準備金の設立にも動いている。ただし、今回押収された1670万ドル相当の仮想通貨が将来的にこの仮想通貨準備金に組み入れられるかどうかは不明だ。
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