米大手銀行のJPモルガンが発表した21日のレポートで、現在のブロックチェーンの開発はデジタルマネーの基盤を築いているものの、実際の採用についてはまだ数年先であると指摘している。

銀行業のブロックチェーンは数年先

レポートによると、ブロックチェーンや支払いの高速化、デジタル通貨の採用に向けた基盤はすでに整っているという。JPモルガンによると、銀行でのブロックチェーンの採用は3~5年先になるとしている。

またフェイスブックが進める仮想通貨リブラのようなステーブルコインのプロジェクトはより高度な作業が必要だという。

「リブラのようなステーブルコインが成功するためには短期的な流動性ファシリティ、プラスの利回りの準備資産、分散化されていないセミプライベートネットワークが必要になる」

さらに仮想通貨市場が規制に取り組むことや規制された取引所が新しい契約方法を導入するなど新たなポジティブな材料が出ていることも指摘した。

ただ、それでも仮想通貨のボラティリティが大きいことからビットコインは本質的な価値をクリアしているものの、ポートフォリオの多様化への価値を実証できていないとしている。

「過去1年間、グローバルなポートフォリオの多様化やヘッジ手段としての仮想通貨の立ち位置について、我々の見解は変わっていない」

JPモルガンと仮想通貨の関係

JPモルガンはブロックチェーンや仮想通貨に関する開発を進めている。

今月にはJPモルガンのブロックチェーン部門「クオラム(Quorum)」がイーサリアム系ブロックチェーン開発企業コンセンシスと合併することが報じられた。

このクオラムはJPモルガンの独自デジタル通貨であるJPMコインの開発基盤でもあり、これまでに4大穀物メジャーが農作物のサプライチェーンの効率化のために採用したことでも知られている。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン