JPモルガンのアナリストは、仮想通貨の弱気相場が続けば、ビットコイン(BTCは)が1260ドルを下回る可能性があると予想した。24日付のロイター通信が報じた。米大手金融機関の仮想通貨に対する懐疑的な見方が改めて示された。

記事によると、JPモルガンのアナリストは、仮想通貨の本当の価値はまだ証明されていないと指摘。仮想通貨は、投資家が米ドルや金など伝統的な資産に対する信頼を失うという、仮説上のディストピア(ユートピア(理想郷)の正反対)でのみ機能するという見解を示した。

「例え景気後退や金融危機のような極端なシナリオが起きても、取引や投資、ヘッジをするために仮想通貨より複雑でなく流動性の高い手段はある」

その上で、JPモルガンのアナリストは、現在の弱気相場が長引けば、まず2400ドル付近まで下落し、さらに1260ドルを下回ると予想した。

また、JPモルガンは、機関投資家による仮想通貨への関与が過去6ヵ月で急激に減っていると言及。仮想通貨市場にいるのはほとんどが個人投資家だという。

さらに仮想通貨を決済手段として使うことも「課題がある」と指摘。JPモルガンは、去年、大手小売店で仮想通貨を受け入れた例を見つけられなかったという。

一方、ブロックチェーン技術については、少なくとも3年~5年、銀行が恩恵を受けることはないだろうという見方を示した。

JPモルガン・チェースとは、米ニューヨークに拠点を置く銀行や投資、他複数の金融業務を行う会社。会社の始まりは1799年までさかのぼることができ、長い歴史のなかでアメリカをはじめ、世界経済の発展を資金面で支えてきた金融界の大手。蓄積された金融業務のノウハウと世界規模の信用は健在で、仮想通貨など今後のフィンテック分野においてJPモルガン・チェースの動向は大きな注目を集めている。

仮想通貨用語集