大手決済企業スクエアのジャック・ドーシーCEO(ツイッターのCEOでもある)は、米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が提案している仮想通貨規制案に反対意見を表明している。
FinCENが提案している規制案は、仮想通貨取引所を含むマネーサービス事業者が自己ホスト型ウォレットに3000ドルを超える送金を行う場合、送信先の身元を確認することを事業者に要求するものだ。
スクエアは1月4日に公開したFinCEN宛のレターの中で、「現金取引で求められるものをはるかに超える」報告義務を課すような提案であり、「当社のサービスにオプトインしていない、もしくは当社の顧客としてサインアップしていない人々に関する不確かなデータ」を収集することをスクエアに求めるものだと批判している。
スクエアは、FinCENの規制案が成立してしまった場合、仮想通貨ユーザーが米国外に拠点を置くサービスに向かってしまう懸念があるとも指摘している。そうなった場合、米国の仮想通貨における競争力にも影響を及ぼし、規制当局がさらなる課題に直面する可能性もある。
「スクエアのような規制対象の組織からノンカストディアルなウォレットや海外の管轄区域へと追いやってしまうハードルを追加することで、FinCENは今よりも仮想通貨トランザクションがより見えづらくなってしまうだろう」
FinCENは12月18日に規制案を公開した後、パブリックコメントを求めていた。ただしパブリックコメントを求める期間は、通常の60日間ではなく、15日間と短く設定されていた。それでも、この問題について6000件近くのコメントがFinCENに提出されている。
米国の大手仮想通貨取引所のクラーケンは、FinCENの規制案に対する反対意見を1月4日に公開している。クラーケンもスクエアのように、今回の規制案が施行されれば、ユーザーが認可されていないプラットフォームに向かう懸念を表明している。
「現在、法執行機関が利用できる証拠が、明日には彼らの手の届かないところに置かれてしまうだろう」と、クラーケンは述べている。
また大手取引所のコインベースも、FinCENの規制案に対する意見を公開。FinCENのルールは「容認できないほど曖昧」だと指摘し、プライバシーを広範に侵害し、公共の利益を提供できなくなると批判している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン