情報技術イノベーション財団(ITIF)は4月30日、政策決定者向けにブロックチェーン技術の規制方法に関するガイドを発表した。同技術は、様々なソリューションの主要技術として組み込まれる可能性が高いと予測した一方、知見のない規制当局が重要な分野の発展を妨げてしまう可能性も示した。

ITIFは2006年に設立された独立非営利団体で、新技術を取り扱うための情報・分析・推奨事項を政策立案者に提供。理事会メンバーとして、アップル、アマゾン、インテル、マイクロソフトなどの公共政策担当幹部も名を連ねている。米ペンシルベニア大学は2015年、ITIFを世界で2番目に権威のある科学技術シンクタンクと評した

ITIFが発表したガイドには、技術の中立性や公共分野における導入などの原則に基づき、政策立案者がブロックチェーン技術をより適切に規制するための一連の提案が盛り込まれている。

ガイドの中で、ブロックチェーン技術は、仮想通貨、共有データサービス、スマートコントラクト、分散型取引市場、信用追跡、デジタルIDといったソリューションの主要技術として組み込まれる可能性が高いと予測している。

またこの状況は、知見のない規制当局が重要な分野の発展を妨げてしまうことも示しているそうだ。

特にデータ使用規制は、ブロックチェーンの実装に影響を与える可能性があるという。例えばEUの規定の一部は、ブロックチェーン取引の改ざん防止の性質と矛盾する、と同ガイドは指摘している。

ブロックチェーンは、仲介者のいないピアツーピアネットワーク(P2P)であるため、データ編集や過去にさかのぼった変更が非常に難しい。一部ユーザーがブロックチェーン技術のこうした性質を利用して、不適切な情報を保存する可能性があるものの、ガイドは「現行のパブリックブロックチェーンは、違法または海賊版コンテンツの保存・共有に最適なソリューションではない」と強調している。

またITIFは、ブロックチェーン技術を使用できないよう制限する関連規制を策定することよりも、合法的なブロックチェーン技術による革新と導入をサポートするよう各国政府に推奨している。

翻訳 ロシアンOLちゃん
14歳の時に来日してから日本が好きになり、日本語の勉強を始める。大学卒業後、商社、PEファンドなどを経て、現在ではブロックチェーン産業に携わり、SNSでロシアや欧州のブロックチェーン、クリプト情報を発信している。


編集 コインテレグラフ日本版