国際援助団体オックスファムが、ブロックチェーンを用いてカンボジア米のサプライチェーンを追跡するプロジェクト「ブロックライス(BlocRice)」を正式に立ち上げた。今月15日にカンボジアの日刊新聞であるクメールタイムズ紙が伝えた。
ブロックライスは、スマートコントラクトを用いて米農家とオランダの購買者の間のサプライチェーンの透明性と安全性を確保することを目的として開発が進められてきた。クメールタイムズ紙によると、22年までにプロジェクトの対象となる米農家を5000人に拡大する予定だという。
「このプロジェクトの目的は、一次生産者、カンボジア米の輸出業者、欧州の小売業者の3者間のデジタルコントラクトおよびブロックチェーン技術をテストし、農家の生活と米を供給する際の権限を向上することだ」とオックスファムが提供する情報パンフレットは説明している。
自動化が進み、生産者の顔が見えやすくなることで、農家は米により高い値段をつけ、経済的に不利な立場に置かれることを防ぐことができるようになるはずだ。
さらにクメールタイムズ紙は、カンボジアのオックスファムの代表を務めるソリン・リム氏の次の発言を引用している。「ブロックライスは、社会的、経済的な地位を向上するツールとしての同様のデジタルコントラクトの使用を促す」。さらにリム氏は次のように述べている。
「ブロックチェーン技術の応用により、米のバリューチェーンにおいて、多くの場合貧しい一次生産者である小規模農家の交渉力が高まることが期待される」
より強固なサプライチェーンを築く手段として米のサプライチェーンにブロックチェーンが適用されたのは今回が初めてではない。
中国アリババ傘下でアリペイを運営するアントフィナンシャルは8月、中国の地方政府と提携し、米の偽装販売を防ぐためにブロックチェーンの活用を始めている。