「秘密鍵を撲滅する」 法人向け仮想通貨ウォレットのカーブ 約7億円調達|マネックスグループも参加

米デジタルアセット関連スタートアップ企業「カーブ(Curv)」は、金融機関向けに秘密鍵を利用しない仮想通貨ウォレットを発売するために、650万ドル(約7億1856万円)を調達した。2月26日にプレスリリースで発表した。

プレスリリースによると、シードラウンド(ベンチャー企業の立ち上げ直後の調達)は、仮想通貨投資ファンドのデジタルカレンシーグループと、イスラエルのサイバーセキュリティ会社のチーム8が主導した。このラウンドには、マネックスグループ、フライブリッジ・キャピタル、ジャンプ・キャピタル、リバティー・シティ・ベンチャーも参加している。

調達した資金は、公共機関や企業が仮想通貨やブロックチェーンアプリを安全に使用できる法人向けウォレットの作成に投入されるという。

カーブは、「秘密鍵の概念を撲滅する」と主張。取引を安全に署名するシンプルな方法を提供する新たな暗号化手法を取り入れているとしている。プレスリリースの説明では、カーブの仮想通貨ウォレットは、独自のマルチパーティ計算技術(Multi party Computation、MPC)プロトコルを採用しているという。

「秘密鍵の概念の撲滅」

カーブの仮想通貨ウォレットは、「秘密計算」(秘匿計算)の採用をすると見られる。

従来の暗号化では、暗号化前の元データにいったん戻す必要があるが、秘密計算はデータを常に暗号化したままの状態で処理するという仕組みで、同じサーバー上に秘密鍵を置いておく必要がない。計算処理を行うサーバーやクラウド上からデータ自体が流出・漏洩しても暗号化されたままなので、解析は難しい。

マルチパーティ計算技術は、複数のサーバーが協力して計算処理を行う仕組みで、データを暗号化したままで各サーバーに断片化しつつ分散し、計算処理を行う。

さらにカーブは、従来のコールドウォレットとホットウォレットは、同社クラウドベースのサービスに置き換えられるとしている。

ビジネス誌フォーチュンによるインタビューでは、カーブCEOのイタイ・マリンガー氏は「飛躍的進歩」と主張している。

5年前には、この処理を行うには長い時間と多くのネットワークトラフィックが必要だった。画期的な点は、複雑な計算結果を短時間で得られるということ。それは、クラウドを介したサービスの可能性を意味する。