インドの仮想通貨全面禁止案は「人材流出招く」 業界関係者が懸念 既に拠点を移した企業も

インド政府による仮想通貨に対する否定的姿勢が頭脳流出を招くと懸念されるなか、すでに影響が出始めている。エコノミック・タイムズが9月16日に報じた。インドの仮想通貨取引所がエストニアに拠点を移すといった事態が既に発生している。

インドの専門家委員会は今年7月に、インド国内で仮想通貨を全面禁止する案を政府に提案。これから政府が検討に入るとされる。

同案には、仮想通貨取引やマイニングなどに対する罰則などが含まれ、「仮想通貨のマイニング、生成、保持、販売、取引、譲渡、処分、もしくは発行」した場合、最長10年の懲役刑を課すべきだと勧告している。

インドでは政府の仮想通貨禁止案の影響がすでに出始めているという。エコノミック・タイムズに対して、インドにあった仮想通貨取引所Bitbnsのラウル・ジェイン氏は、以下のように述べている。

「インド発のスタートアップとして、我々は常にインドからサービスを発信したい。しかし、この最近の複雑な事態により、国内での仮想通貨取引所の運営が困難になった。そこで我々はエストニアに拠点を移した。よって、仮想通貨を犯罪化するいかなるインドの法律も我々には影響がない」

また、インドの別の仮想通貨取引所WazirXの創設者兼CEOのニシャル・シェティ氏は、仮想通貨禁止案が実現すれば、「何百億インドルピー相当の仮想通貨」を所有する500万人超のインド人の資産をむしばむと主張している。

シェティ氏はまた、仮想通貨投資を犯罪化するこういった専制的な決断は、合法で行っている現存のビジネスを動揺させ、インドを「仮想通貨といった革新的なテクノロジーを禁じた最初の民主主義大国」という残念なパイオニアにさせてしまうと嘆く。さらに、次のようにも述べている。

「インドが、もし、仮想通貨を禁止すれば、技術的なパワーとしてのエッジを失うだろう。この産業を遠ざけるというのは、大量の雇用損失と頭脳流出を意味する。(中略)仮想通貨業界は、向こう5年で10兆ドル(約1080兆円)規模になると予測される。もし、首相の目標『5兆ドル規模の経済』を目指すのなら、そのビジョンには仮想通貨が含まれるはずだ」

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版