インドの最高裁で争われているインド政府の仮想通貨禁止を巡る裁判。最高裁で行われた審理の中で、最高裁の判事は中央銀行のインド準備銀行(RBI)に対して、仮想通貨禁止を再考するかどうか明確にするように要請した。

昨年から続く法廷闘争

インドでは昨年4月に、RBIが銀行に対して仮想通貨取引を行う個人や企業へのサービス提供を停止するよう命令。これに対して、運営が困難となる現地の仮想通貨取引所は反発。政府を相手取った訴訟に発展している

インドの仮想通貨メディア「クリプト・カヌーン」による、最高裁での審理の最新状況についてレポートによれば、最高裁のナリマン判事は21日の審理で、取引所側が求めている仮想通貨の禁止措置の再考について、「RBIは適切な方法でこの求めに対応しなければならない」と述べた。

ナリマン判事は、2週間後にRBI側に仮想通貨禁止の再考について回答するよう要請し、RBI側もこれに同意した。

クリプト・カヌーン次の審理は9月25日に開かれる予定だ。RBI側の回答について、議論が行われるとみられる。

インド政府では全面禁止案も

インドでは今年7月、政府の専門家委員会がインド国内で仮想通貨を全面禁止するよう提案する報告書を公表した。ただ政府による最終決定が行われているわけではなく、この提案を政府が精査している段階だ。

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インドのIT企業2700社以上が加盟するナスコム(NASSCOM)は、この報告書に反対を表明している。また仮想通貨リサーチ企業は、インド政府が仮想通貨禁止すれば129億ドル(約1兆3700億円)の損失をもたらすと指摘している

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