FTXが破綻した際、ヘッジファンドの資産の大半がFTXにあったことを明らかにした資産運用会社イキガイは、取引所の破産手続きで債権を売却したと発表した。

仮想通貨ヘッジファンドであるイキガイのトラビス・クリング最高投資責任者(CIO)は12月22日、X(旧ツイッター)への投稿で、FTXに対する6500万ドル(92億円)の債権を売却したと述べた。クリング氏は、同社が債権をいくらで売却したかは明言しなかったが、ブルームバーグの12月20日の報道によれば、一部の債権者は1ドルあたり最大73セントを手にする可能性があるという。

「結局のところ、債権を売却するかどうかの判断は、そのほとんどが機会費用の関数だった。債権価格が将来どれだけ上昇するかということと、今現金を手にし、リターンを得られる他の何かに投資するかということだ」とクリング氏は言う。「現在、債権売却による現金収入を受け取っており、ファンドからの償還を希望する投資家はすべてそうすることができる。資金の大部分はファンドに留まっている」という。

「私は FTX2.0に非常に興味があった (そして今でも)。 しかし、債務者はそのプロセスに失敗しており、進捗は非常に遅いため、2.0で何かが起こるのをこれ以上待ち続けるのは意味がないと判断した」と、クリング氏は述べている・

FTXとその子会社の多くが破産を申請してから1年以上が経過したが、弁護士やブローカーは影響を受けたユーザーに対し、債権を売却するよう呼びかけ続けている。個人投資家にとって有利なことは、FTXの債務者からの補償の可能性を何ヶ月、もしくは何年も待つよりも、失った資金の一部を早く取り戻せるとことだ。

債権者の中には、強気相場の可能性を逃すくらいなら、もっと早く資金を受け取って仮想通貨に投資したいとソーシャルメディアで発言している者もいる。しかし、彼らがキャッシュアウトすることを選択した場合、FTXの破産訴訟が終了すれば、彼らは潜在的に高い配当を逃すことになるだろう。

FTXの債権に現金を提供する企業には、チェロキー・アクイジションとオープン・エクスチェンジ(スリーアローズキャピタルの共同設立者であるスー・チュー氏とカイル・デイビス氏が支援するプラットフォーム)が含まれる。破産申立プラットフォームFoundは6月にも、FTXの債権者が分散型金融(DeFi)プロトコルArcadeのローンの担保として債権を提供したことを報告している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン