米IBMは、貧困の撲滅に取り組むNGOグローバル・シチズンと提携し、慈善団体への寄付のブロックチェーン・プラットフォームのコンテストを主催すると、11日にブログで発表した

 IBMの発表によると、慈善団体が直面する問題の一つは、寄付金が確実に使命に忠実に、有効かつ効率的に利用されるようにすることだという。プレスリリースは以下のように述べている。

「極度の貧困や感染症といった社会問題を解決するには、どの事業も、約束された資金を確実に手に入れる必要がある。とくに、世界で最も大きな影響力を持つ寄付者である連邦政府からだ」

 IBMとグローバル・シチズンのコンテストは、慈善事業が資金を受け取ってからその資金を最終的に活用するまでを追跡することに使われるブロックチェーン・プラットフォームの構築に、インセンティブを与えることを目指す。

 「チャレンジ・アクセプティド」と名付けられたこのコンテストで参加者は、IBMのブロックチェーン・プラットフォーム上に3者からなるネットワークを構築しなければならない。特定の事業に対する寄付金と資金は政府によって送金され、慈善団体に登録され、グローバル・シティズンによって認証される。

 優勝者は、IBMのウェブサイトで開発したプラットフォームを紹介される。またアプリケーションの実装法についてIBMとグローバル・シチズン、そして業界のリーダーとワークショップで話し合うことができ、そのコードは同様のプロジェクトに取り組む他のプログラマーも使用できるようになる。

 英国を拠点とするブロックチェーンの慈善事業プラットフォーム「アリス(Alice)」は昨年、ブロックチェーンを利用した募金プラットフォームの試験事業を発表した。特定の使命を持つ慈善事業にスマートコントラクトを使用して寄付するこのプラットフォームを、アリスはロンドンのホームレスの支援団体、聖ムンゴズで試験を行った。

 ビットコインに特化したチャリティとして知られるパイナップル基金は10日、世界各地の様々な慈善団体に5104BTCを寄付するというミッションを完遂したと発表した。このチャリティは、ビットコインが史上最高値を付けた17年12月に、パインというニックネームを使う匿名の篤志家によって始められた。