LINEの仮想通貨取引所、今わかっている3つのこと【独自】

LINEの仮想通貨・ブロックチェーン子会社LVCが金融庁から仮想通貨交換業の登録を完了させてから1週間。LINEからは、いまだ具体的なサービスについてはアナウンスされていない。だが、現在までに公開されている状況から、LINEの仮想通貨サービスの概要を予想してみよう。

仮想通貨取引所の名称は「BITMAX」?

LINEは昨年7月から、シンガポールを拠点に日本と米国以外の地域で仮想通貨取引所「BITBOX」を展開中だ

しかし、日本での仮想通貨取引所は「BITMAX」で展開するとみられる。

「BITMAX」の名前は、ブルームバーグの6月の報道で名前が取り沙汰された。実際に、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で検索すると、LINEが「LINE BITMAX」、「bitmax」で商標登録を申請していることがわかる。

出典:J-PlatPat LINEは「BITMAX」などの商標登録を申請している

LINEの独自仮想通貨「LINK」を取扱うのか?

今回の仮想通貨交換業登録では、取扱い通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、XRP(リップル)の5通貨となっている。

ただLINEが昨年9月に発行した独自仮想通貨「LINK」も将来上場される可能性もある。

独自仮想通貨「LINK」とは

LINEは昨年9月、「LINE TOKEN ECONOMY」の構想を発表。独自のブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」を基盤に分散型アプリ(dApps)を展開。その経済圏で使われるトークンが「LINK」だ。

日本のユーザー向けには「LINK ポイント」、海外向けには仮想通貨「LINK」が発行されている。LINEの仮想通貨取引所BITBOXではLINKの売買が可能となっている(日本のLINKポイントは、LINEポイントと交換できるだけだ)。

商標関連書類では「上場予定」

LINEの仮想通貨取引所では「LINK」は取り扱われるのか。実は、前述の「BITMAX」の商標登録申請の書類の中では、次のように独自仮想通貨の取扱いを示唆する文言も掲載されている。

「本願商標は、出願人の子会社であるLVC株式会社の完全子会社である、LINE TECH PLUS PTE.LTDというシンガポールの法人が発行している仮想通貨に関連する役務に使用する予定です。〔中略〕本件商標に係る仮想通貨は、LINE TECH PLUS PTE.LTDが独自のブロックチェーンを使用して作成するものであり、LVC株式会社が『仮想通貨交換業者』の登録をしたのち、別途、日本仮想通貨交換業協会の審査等を経て、同社の運営する仮想通貨交換所で取り扱われる(上場)ことになる予定です」(「LINE BITMAX」に関わる6月13日付意見書)

一方dAppsはサービス停止も…

ただLINEのトークンエコノミー構想は、最近失速気味だ。昨年、5つのdAppsが発表されたが、サービスの停止が相次いでいる。

8月26日には、未来予想プラットフォーム「4CAST」がサービス停止。9月30日には知識共有プラットフォーム「Wizball」がサービスを停止する

また画像検索サービス「LINE Pasha」は8月からLINKポイントを付与する制度を一時停止している

証券大手の野村がLVCへ出資か

今年1月、LINE、LVC、そして野村ホールディングスは、ブロックチェーン領域での金融事業における資本業務提携で基本合意書を締結している。今回の登録完了で、提携協議が前進する可能性がある。

発表でいわれた「ブロックチェーン領域を中心とした金融事業」が、具体的にどのようなビジネスかは明らかになっていないが、仮想通貨取引所を手掛けるLVCが入っていることから、仮想通貨ビジネスが1つの領域になるだろう。

LINEと野村HDは、LINE証券でもタッグを組んだ関係だ。LINEの仮想通貨事業でも両社が協力することになるとみられる。

当初の発表では3月末までに最終契約を結ぶとなっていたが、現在のところ、まだアナウンスはない。発表当時には「本提携の実行は、本提携効果の検証、関係官庁の許認可取得〈中略〉その他本提携に必要となる契約締結を条件としております」となっており、今回LVCが業登録を終えたことで、協議が本格化していく可能性があるだろう。

野村HDも仮想通貨に積極的

野村HDも仮想通貨ビジネスの分野で既に研究を進めている。昨年5月、仮想通貨ウォレットサービスのフランスのレジャー(Ledger)などと、仮想通貨のカストディアン(保管)サービスを検討するコンソーシアム「コマイヌ」を設立。また最近では、セキュリティトークンの研究・開発を行う新会社「ブーストリー」を立ち上げた

 

LINEの仮想通貨取引サービスについては、LINEにコメントを求めたところ、「サービス概要に関する内容は、正式開始時に改めてお知らせさせていただきます」と回答。また野村ホールディングスとの提携協議についても「公表すべき事案がございましたら、正式にアナウンスさせていただきます」と回答している。