香港で政府とデモ隊の対立が収まらない中、香港取引所でのビットコインの取引価格が他国の取引所より高くなっていると相次いで報じられている。

政治的な混乱から「安全資産」としてビットコインを買う人が増える一方、プライバシー保護の観点からの買いも見られるようだ。

フォーブスによると、デモに参加する若者は香港の交通系ICカード「オクトパスカード」の使用を拒否。公共交通機関への乗車だけでなくコンビニやレストランでの支払い手段として普及しているオクトパスカードだが、若者たちは「香港政府に取引データを追跡されてデモに参加したかどうかタグづけされる」ことを恐れている。そこで人気を集めているのが、ビットコインなどの仮想通貨だという。

香港在住のレポーターによると、デモが始まった今年6月時点で、オクトパスカードへのチャージを避けて券売機に並ぶという「普通ではない」光景が出始めていたという。

現在、ビットコインは「デジタルゴールド」として資産の地位を確立しつつあるが、将来的にはプライバシーに関する社会問題がさらなる飛躍のきっかけになるという見方もある。とりわけ、キャッシュレス社会が進展する中、中央政府や大企業に取引データを管理されることで利用者はプライバシーを損失して自立した生活ができなくなるという見方が出ている。プライバシーや匿名性の機能で課題も多いビットコインだが、政府からの「自由」や「自立」をビットコインに求める人は多い

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QRコード決済や顔認証を始め、キャッシュレス化が進む中国で一足早くビットコインの真価が問われているのかもしれない。

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