連日香港ではデモが行われており、16日にはデモ隊の数は200万人を突破したと各メディアが報じた。一方、香港政治の不透明性に対する嫌気から仮想通貨ビットコインの逃避資産としての需要が高まっているようだ。
執筆時点(6月17日午前10時30分)で香港拠点の仮想通貨取引所TideBitのビットコイン価格は7万2000香港ドル(約9360ドル)。ビットスタンプやコインベース価格を200ドル以上上回っており「香港プレミアム」がついた状態となっている。
(出典:TideBit 「ビットコイン/香港ドル」)
(出典:TradingView「ビットコイン/米ドル」)
香港のデモ隊が主に抗議しているのは、「逃亡犯条例」改正案。刑事告訴された香港人を中国本土に引き渡し可能にする条例だ。香港のデモ隊はこれの完全撤回や改正を主導した林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任などを求めている。
また、「逃亡犯条例」改正を受けて香港の大物が動き出しているという報道もある。
14日のロイター通信によると、一部の香港の実力者は、個人の資産を国外に送り始めた。匿名で答えた香港人大物は、次のように述べたそうだ。
「他の人も同じことを考えていると聞いているが、公には行動しないだろう。中国当局が香港にある資産を差し押さえる能力を身につけることに対する恐怖だ。シンガポールがみんなが好む行き先だ」
政治経済に対する不透明な状況が続く中、香港の富裕層が国外に資産を移すためにビットコインに換金して海外送金している可能性はある。