イーサリアムブロックチェーンをベースとした新たなプラットフォーム、エーコーン(Acorn)が、オープンなグローバルコミュニティーと、クラウドファンディングのためのマーケットプレイスを作り、発展途上国の人々などの新しい参加者に門戸を開こうとしている。
P2Pスマートコントラクトをベースとした統治方法を取り入れることで、エーコーンは、既存のクラウドファンディングプラットフォームに取って代わり、地理的、政治的、さらには経済的な国境を超えるサービスの提供を計画している。また、複数の国をまたぐ法域や訴訟から生じるあらゆる問題の軽減も目指す。
エーコーンのプロジェクトチームによれば、取引の検証や保存に分散型ブロックチェーンを利用し、専用トークン(「OAK」)を使うことで、「エーコーンは、本来適用される可能性のある現地での課税を回避することができる」という。
「ICOを通じた資金調達とイーサリアムブロックチェーンの利用により、エーコーン コレクティブは、キックスターターやインディーゴーゴーのような従来のクラウドファンディングプラットフォームでかかっていた、3~5%の取引手数料と、5%のプラットフォーム利用料を完全に無くす」と、エーコーンのホワイトペーパーは明言している。
エーコーン ハブは、既存のクラウドファンディングサービスの機能を備えつつ沢山の重要な関連サービスを提供している。資金調達後に手数料無料で製品販売に使うことができるエーコーン マーケットプレイスはその内の1つだ。その他のサービスには、マーケティング支援や、スマートフォン経由でのOAK建て取引を可能にするPOSペイメントアプリなどがある。
クラウドファンディングは「クラウド」のためのものではなくなってしまった
クラウドファンディングはこれまでの十年間、キックスターターやインディーゴーゴーといった第1世代のプラットフォームにより、様々な業界に巨大な影響を与えてきた。
最初は純粋にコミュニティー指向のプラットフォームとしてスタートし、独創的なプロジェクトを生み出すために必要な資金調達の敷居を下げた。そしてクラウドファンディングの成功は多国籍企業の関心さえ惹き付けた。
それらの企業はクラウドから調達した資金に直接頼っていたわけではなく、むしろクラウドファンディングを世間の関心と新製品の販売可能性を評価するための手段として使っている。また、ベンチャーキャピタルのような従来のかたちの投資を得るための「売り込み」ツールとして利用されることもある。
企業がクラウドファンディングに参加し、それら既存の(中央集権的な)プラットフォームの経営者たちの権力も強大になっていくにつれ、クラウドファンディングを行う手数料も高騰してしまった。結果的に、個人や中小企業は業界のベテランたちとクラウドファンディングで競い合っているのが実情だ。企業にとっては安く思える手数料でも、資金力やコネに乏しい起業志望者にとっては大きな負担だ。
既存のクラウドファンディングプラットフォームは確かに、財源やパートナーを持たない起業家が資金調達する障壁を下げる重要な役割として歓迎されてきた。だがまだまだ多くの障壁が存在する。それは基本手数料や税といった障壁だけでなく、地理・法域的な障壁もあるだろう。エーコーンプロジェクトは、クラウドファンディング分野のバリアを、打ち砕いてくれるかもしれない。
ICOのプレセールがスタート
エーコーンのICOプレセールは1月29日(月)~2月19日(金)まで実施されている。
このICOは、新たな分散型クラウドファンディングのコンセプト自体にクラウドファンディングするものだ。ブロックチェーンをベースにし一切の仲介者が存在しないクラファンディングという新たな考えが受け入れられるかどうかが真に試されるだろう。
ダニエル・ミッチェル
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