分散型金融(DeFi)リクイディティプロバイダーのエリクサーは、今週初めに発生したストリーム・ファイナンスの9300万ドルの損失の影響を受け、独自の合成ステーブルコイン「deUSD」のサポートを停止した。
エリクサーは木曜、「全deUSD保有者のうち80%の償還処理を完了した」とXで発表した。コインゲッコーによれば、この償還が引き金となり、deUSDは米ドルとのペッグを外れ、1.5セントまで下落した。
ストリームは今週火曜、外部ファンドマネージャーが純資産9300万ドルの損失を報告した後、出金を停止した。この損失には、エリクサーへの約6800万ドルを含む、複数の貸し手に対する約2億8500万ドルの負債が含まれている。
ストリームの損失が連鎖的影響を引き起こす
ストリームは、独自のステーキング型ステーブルコイン「ステークド・ストリームUSD(XUSD)」の安定化を目的としてdeUSDを借り入れていた。しかし、9300万ドルの損失が明らかになった後、XUSDは0.10ドルまで急落した。
エリクサーのdeUSDは2024年7月にローンチされ、エセナ・ラボが発行するUSDeに対抗する合成ステーブルコインを目指していた。デペッグ前の時価総額は約1億5000万ドルに達していた。
エリクサーによると、ストリームは残存deUSD供給量の約90%(約7500万ドル相当)を保有しているという。
しかし同社は、ストリームがこれらのポジションを返済またはクローズしない決定を下したと主張。これによりエリクサーは、コンパウンドなど他の分散型レンディングプロトコルと連携し、全deUSD保有者への支払い完了を目指している。
また、エリクサーは出金機能を無効化した理由の一部として「ストリームがローン返済前にdeUSDを清算するリスクを排除するため」と説明している。
なお、ストリーム・ファイナンスは取材に対し、記事執筆時点でコメントを出していない。
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