最近の仮想通貨価格の下落は、グレイスケール・ビットコイントラスト(GBTC)からの資金流出による可能性が高いとみられている。コインシェアーズによると、この現象はヨーロッパやカナダのデジタル資産投資商品からの資金流出にも影響を及ぼしているという。
コインシェアーズは1月28日、「最近の価格下落は、グレイスケールから合計約50億ドルに及ぶ大規模な資金流出によって引き起こされた可能性があり、これが他地域のさらなる資金流出を促している」と報告した。
1月22日から1月26日の取引週において、スイスとドイツのデジタル資産商品はそれぞれ5980万ドル、3170万ドルの資金流出があった。一方、カナダのデジタル資産商品は1月に最大の資金流出を記録し、2億980万ドルに達した。ドイツとスウェーデンもそれぞれ1億2450万ドル、3420万ドルの資金流出があった。
週間資金流入が大きくあったのはブラジルのデジタル資産商品で、1030万ドルを記録している。

一方で、米国におけるビットコイン現物ETFの第2週目の取引で、約5億ドルの資金流出があった。9つの新しいビットコイン(BTC)現物ETFは、約18億ドルの資金流入を記録したが、GBTCに変換されたグレイスケールのビットコイン現物ETFの資金流出が1週間で22億ドル以上あったために、これを埋め合わせることはできなかった。
ただし、コインシェアーズによると、GBTCの流出は週を通じて一日あたりの流出総額が減少したことで、徐々に沈静化しつつあるという。

YChartsのデータによると、GBTCは数年にわたって、投資家にとって利益を生み出しやすい取引環境を提供していたという。投資家はグレイスケールのプレミアムが2019年7月に43%に達した際、ファンドに資金を借り入れて参加し、その後の利益を得ていた。
しかし、このGBTCのアービトラージ取引は、プレミアムが突如ディスカウントに転じた2021年2月に消滅した。GBTCを購入する投資家に課された最低6ヶ月のロックアップ期間により、多くの投資家がファンドに閉じ込められた。徐々に価格がディスカウントされ悪化したことで、GBTCの売却をためらうことにつながった。
YChartsのデータによると、GBTCのビットコイン現物ETFへの転換後、ディスカウントは1月26日に1.55%から0%に下がった。
GBTCから今月50億ドルが失われた一方、コインシェアーズは、1月11日のビットコインETF取引開始以来、ビットコイン商品で59億4000万ドルの流入を記録したと指摘した。
The 9 new spot #Bitcoin ETFs bought ~140,000 $BTC worth $6 Billion USD in 11 trading days
— HODL15Capital (@HODL15Capital) January 29, 2024
This excludes $GBTC (conversion w/ outflows)$IBIT $FBTC $ARKB $BITB $BRRR $BTCO $HODL $EZBC $BTCW pic.twitter.com/i0DIJYWUEI