テザーの弁護士は30日、テザー(USDT)の4分の3しか米ドルで裏付けられていないことを明かした。テザーといえばステーブルコインの代表格で米ドルと1対1で連動すると主張してきた。

ニューヨーク州の司法長官によるビットフィネックスとテザーへの訴追に対する対応の一環として、法律事務所モーラン・ルイスのズー・フィリップス氏は、74%のテザーが米ドルで裏付けられていると発表した。

フィリップス氏は、この割合について問題視せず「いやゆる「部分準備銀行制度」は商業銀行のやり方と似ている」と指摘。「どの銀行も、預金額に占めるほんの小さな割合しか実際に現金を保有していない」と説明した。ただ、これまでテザーが主張してきた米ドルと1対1と事実は全く異なっていたことになる。

フィリップスはさらに次のように続けた。

「マーケットはテザーに対して明らかに信頼を持ち続けているようだ。現在、テザーは1ドルをほんの僅かに下回るところで取引している。ニューヨーク州の司法長官によるかなり扇情的で誤解を招きやすい公表にもかかわらずだ」

先月25日、ニューヨーク州のジェームズ司法長官がビットフィネックスステーブルコインテザー訴追。提携先でパナマに拠点を持つ決済サービス企業クリプト・キャピタルで生じた8億5100万ドル(約953億円)もの損失補填の為、7億ドル(約784億円)のテザーを使っていたという。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版