韓国の主要仮想通貨取引所の1つであるビッサムの前会長イ・ジョンフン氏が、8年の懲役刑に直面する可能性がある。同氏はコイン上場を巡る詐欺事件で起訴されており、控訴審の判決が1月18日に予定されている。

韓国の地元メディア報道によると、イ前会長はキム・ビョンゴンBKグループ会長に対し、ビットサムの買収と共同経営を提案し、BXA(ビットサムコイン)をビットサムに上場させると偽り、1100億ウォン(約126億円)相当の被害を与えたとして罪に問われている。検察は一審でイ前会長に懲役8年を求刑したが、裁判所はイ前会長とキム会長が締結した投資合意書に拘束力がないという条項があり、コインの上場を約束する内容がないとして無罪を宣告した。検察はこれに不服を申し立て、控訴していた。検察側は控訴審でも懲役8年を求刑している。

検察側はBXAコインの上場が現実的に困難であるにも関わらず、被害者にその困難を説明せず、上場不成立の決定を知らせずに契約金を受け取ったと主張している。

一方でイ氏の弁護側は、被害者であるキム氏の証言に矛盾があると主張。また、キム氏が上場の進行状況を知っていたことを示す証拠も提示した。

この控訴審の判決は来年1月18日に予定されている。

韓国では仮想通貨規制の整備が進んでいる。韓国の金融監督院(FSS)は、今年初めに成立した「仮想資産利用者保護法」を補完する規制を準備しており、現地報道によると、新規制は来年1月までに整備される予定だ。報道によれば、FSSは上場手続き、内部統制、仮想資産の発行と流通の基準を設定し、「仮想資産市場監督検査システム」を導入する予定だ。