米国で仮想通貨を活用した政治献金が広がっている。コインデスクの28日の報道によれば、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)で選挙の立候補者に献金する取り組みが始まった。

米国の選挙においては「政治行動委員会(PAC)」と呼ばれる政治資金団体を通じて献金が行われる。大口の献金をする団体は「スーパーPAC」とも呼ばれる。

今回、ICOを活用しようというのは「ビットPAC(BitPAC)」という団体だ。これは2014年にダン・バッカ―氏によって設立され、ビットコインの政治献金活用に取り組んでいる。

ビットPACは、「ポリティコイン(Politicoin)」と呼ぶユーティリティトークンを発行する計画だ。バッカ―氏は、あくまでユーティリティトークンであると強調する。将来的には何らかの投票権をトークン所有者に与えるという。

「これはユーティリティトークンであり、何かしらの価値を持つわけではない。取引所がトークンを上場させるとか、人々がトークンを売買するかといったことは気にしない。いくつかのより大きな計画があるが、まずはどこかから始めなければならない」

当初、ビットPACは、米下院議員の補欠選挙に立候補するダン・ビショップ氏(共和党)を支持する予定だ。ビショップ氏が仮想通貨を支持しているのが理由だという。

だた、将来的には、共和党・民主党を問わず、選挙に出馬する立候補者をサポートするプラットフォームを構築する計画だという。

2014年にビットPACが活動した際には、「政治献金をビットコインにどのように利用できるのかは不確かだった」という。14年には8人の政治家にビットコインによる献金を行ったが、仮想通貨による政治献金の報告方法が確立されていないこともあり、ビットPACは18年に一度活動を停止していた。

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米国では2020年の大統領選挙に向けて、仮想通貨を使った政治献金の取り組みが始まっている。民主党から出馬を表明しているアンドリュー・ヤン氏は、ライトニングネットワークを使ったビットコインによる政治献金を始めている

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版