米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、政府機関は仮想通貨業界を監視することを検討すべきだが、仮想通貨自体は米国市場の金融安定性の懸念とは考えていないことを示した。
14日にウォールストリートジャーナルのマイケル・ダービー氏から仮想通貨に関する質問を受けたパウエル議長は、11月1日に発表された金融市場に関する大統領ワーキンググループの報告書の結論を支持した。報告書では、ステーブルコインの発行者は銀行のような「適切な連邦政府の監督」の対象となるべきであり、リスクに対処するために「緊急に必要な」法律であると提案した。
パウエル議長は、「ステーブルコインは、適切に規制されれば、金融システムにおいて有用で効率的な消費者サービスの一部となることは間違いない」と述べた一方、「今はまだそうではない。特に、存在する非常に大きな技術ネットワークの1つと関連付けられるなら、規模を拡大する可能性がある」と指摘した。

FRB議長は次のように付け加えた。
「適切な規制や保護がなく、システム上重要な決済ネットワークが存在する可能性がある。国民は、安全で信頼できる決済システムとして、特に政府とFRBに信頼を寄せている」
パウエル議長は、上院公聴会を前に、デジタル資産に関するバイデン政権の直近の立場を支持する発言をしたようだ。2012年からFRB理事を務め、2018年から議長を務めているパウエル氏は、米大統領が選んだ2026年まで同職を務める。
FRB議長は、仮想通貨は現時点では米国にとって金融安定性の懸念材料ではない可能性が高いとしながらも、投機資産として使われるデジタル通貨を 「リスクが高い」、「何にも裏付けられていない」資産と表現。パウエル議長は以前、中国が行っているような仮想通貨の禁止には賛成しないとした一方で、ステーブルコインの規制の必要性を声高に訴えていた。
「ステーブルコインはマネー・マーケット・ファンドのようなもので、銀行預金のようなものだが、ある程度、規制の枠外にあるため、規制されるのが適切だ」