米シンクタンク、敵対国の仮想通貨・ブロックチェーン技術による安全保障リスクを指摘

国家安全保障と外交政策に焦点をあてた米シンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」は7月11日、米国の敵対国が仮想通貨を利用することについて、現在および将来のリスク評価を行った報告書を発表した。仮想通貨・ブロックチェーン技術が米国にとって大きな脅威となる可能性について解説している。

この報告書では、ブロックチェーン技術が(米国による)制裁措置にとって将来より大きな脅威となる可能性について解説。FDDは、ロシア中国ベネズエライランといった4ヵ国を具体的に挙げ、各国が仮想通貨関連技術に関してどのように注力・展開しているか、また仮想通貨・ブロックチェーンが将来どのように米国による制裁に影響を与えるかを分析した。

FDDは、前述の国のうち1つが、国家主導の仮想通貨を、石油など主要製品輸出に用いることを他国に納得させるというシナリオについて警告している。

敵対国の国民および他国民が、国有仮想通貨を保有・取引したり、また敵対国内企業と取引したりできるよう、敵対国が仮想通貨ウォレットのインフラ構築を推進することになった場合、別の懸念すべき可能性が浮上するという。

また、敵対国内の銀行システムが、ブロックチェーン技術に関し十分な成果を得ていること、それらプラットフォームを法令・規制などの障害が少ない他国の金融システムに統合できることについても警告した。

さらにFDDは、可能性のあるシナリオとして次のように警告した。

「ビットコイン(BTC)のような独立した仮想通貨は商取引で広く採用され、世界の金融システムとの関連性が高い。米国の敵対者が、著しい量のBTC備蓄を始めるほか、国家がその保有量を利用し、世界の金融システムに大きな影響を与える

中国は独自デジタル通貨の開発推進

今回の報告書に名前を挙げられた国々では、実際に仮想通貨・ブロックチェーン技術を使った取り組みが進められている。

中国政府は、フェイスブックの仮想通貨リブラに対抗するために独自のデジタル通貨開発を進めているといわれている

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またイランについても今年1月、米国の制裁回避を目的に独自の仮想通貨を開発中であるとの報道があった。銀行間の国際的決済ネットワークであるSWIFTに対抗する動きではないかとも言われている。

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ロシアについては、スパイ活動で仮想通貨を活用していることが米政府の発表で明らかになっている

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ベネズエラは既に独自の仮想通貨「ペトロ」を発行し、商取引などに利用しようと動いている

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版