米連邦捜査局(FBI)は、今年3月にクラーケンの共同創設者であるジェシー・パウエル氏の自宅を捜索していた。報道によれば、パウエル氏が非営利のアート団体をハッキングし、サイバーストーキングしたとの容疑に関する捜査の一環だったという。

ニューヨークタイムズの7月6日の報道によると、パウエル氏が設立した非営利団体「ヴァージ・センター・フォー・ジ・アーツ」の寄付者からのメールや他のメッセージへのアクセスを遮断する形でコンピュータアカウントに干渉したとされている。この事実については、詳しい情報を持つ3人の関係者の証言が引用されている。

ニューヨークタイムズによれば、FBIとカリフォルニア州北部地区の連邦検事局が少なくとも昨年9月以降、パウエル氏を捜査しているという。捜索の一環として、パウエル氏のロサンゼルス・ブレントウッドにある自宅から電子機器が押収されたと報じられている。ただし、検察官がパウエル氏を何らかの犯罪で告発したという情報はない。

パウエル氏の弁護士であるブランドン・フォックス氏は、捜査は主にパウエル氏が設立した非営利団体「ヴァージ・センター・フォー・ジ・アーツ」からの主張に焦点を当てていると述べ、パウエル氏の仮想通貨分野での関与には関係ないと語った。これはクラーケンの広報担当者によっても確認されている。

フォックス氏はまた、パウエル氏は「何も悪いことをしていない」とも語った。

コインテレグラフはパウエル氏にコメントを求めたが、返答を得られなかった。

報道によると、パウエル氏は2007年にサクラメントを拠点にこのアート団体を設立したとされている。しかし、彼のLinkedInによると、彼は2010年4月から創設者兼理事として活動していると記載されている。

コインマーケットキャップによれば、クラーケンはコインベースに次ぐ米国内で2番目に大きな仮想通貨取引所である。

クラーケンは今年2月、ステーキングサービスプログラムの提供と販売が未登録であったとして、米証券取引委員会から強制措置を受けた。同社は証券規制当局と和解し、3000万ドルの高額な罰金を支払った

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン