コールドウォレットで知られるハードウェアウォレットプロバイダーのレジャー(Ledger)は、初代iPodの生みの親とコラボレーションした7つ目の仮想通貨ウォレット「レジャー・スタックス(Ledger Stax)」を発表した。

iPod Classicの発明者であるトニー・ファデル氏がレジャーと提携して開発した。同社は12月6日、パリで開催されたレジャー社の年2回のWeb3開発者向けイベント「Ledger Op3n」でこのニュースを発表した。

レジャーの新しいハードウェア・ウォレットは、クレジットカードサイズのデバイスで、大型のEインクディスプレイ、静電容量式タッチ、Bluetoothサポート、ワイヤレス充電などを特徴としている。

Staxには、レジャーの製品ラインでは初めてとなる湾曲したEインクディスプレイが搭載され、本の背表紙のように、所持者の名前やその他のウォレット情報を表示できる。また、マグネットを搭載しているため、ユーザーは複数の同様のデバイスの収納を整理し、順番に「積み重ねる」ことができる。レジャー「スタックス」と命名された所以だ。

このデバイスをデザインする際、ファデル氏は現代の現金がどのようなものであるかを考えた。レジャーの広報担当によると、「彼は2つの方法でそれを考えた。デバイスの背表紙は、中に何があるかを示す現金のとじ紐のようなもので、磁石を使ってそれらを積み重ねることができることだ」という。

Ledger Stax hardware wallet. Source: Ledger

iPhoneの最初の3世代も手掛けたファデル氏は、工業デザイン会社レイヤーの協力を得て、レジャー・スタックスをデザインした。「ユーザーフレンドリーでなければダメだ! ギークだけでなく、その他の人々にもデジタル資産のセキュリティをもたらすための、『ユーザーが喜ぶ』ツールであるべきだ」と、「iPodの父」は語っている。

発表によると、レジャー・スタックスは2023年第1四半期に発売され、現在、Ledgerの公式サイトでウォレットを予約できる。将来的には、米国のBestBuyなどの一部の小売店でも販売される予定だ。

レッジャー・スタックス・ウォレットの価格は279ドルだと、レッジャーの広報担当者はコインテレグラフに語った。レジャーの前作ウォレット「レジャー・ナノSプラス」よりもかなり高価だ。2022年4月に正式リリースされたNano S Plusは、本稿執筆時点では79ドル。前作の「Nano X」は149ドルとなっている。

レジャーによると、レジャー・スタックスはタッチスクリーンと大型ディスプレイにより、対話や取引の署名をより簡単に行えるよう設計されている。「レジャー・スタックスは何かを置き換えるのではなく、我々のラインナップに追加することで、顧客が望む種類の体験を選択できるようにする」と、同社の担当者は述べている。