ビットコイン(BTC)は7月2日に3週間ぶりの高値となる11万300ドルに到達したが、1時間足ではそれ以降、安値・高値ともに切り下がる展開となっている。
週末を控えた現在も、過去最高値である11万2000ドルを上抜けることができていない。
なぜBTCは11万2000ドルを超えられないのか?
トレーディングビューのデータによれば、ビットコイン価格は過去48時間で5%上昇し、7月3日には日中高値として11万392ドルをつけた。
このような上昇にもかかわらず、価格が過去最高値を突破できない主因は、買い手の不在にある。
ビットコインのスポット取引高デルタ指標(買い注文と売り注文の取引量の純差を示す)によれば、ビットコインが上昇を試みているにもかかわらず、取引所での純粋なスポット買いは依然としてマイナスの状態が続いている。
この指標は、モメンタムの欠如を示唆しており、デリバティブ主導の価格上昇がスポット市場からの実需を伴わないまま進行した場合、反落や保ち合いの展開になる可能性がある。
マーケットデータを提供するスイスブロック・テクノロジーズは、Xで次のように投稿している。
「ビットコインはブレイクアウトしつつあるが、スポット需要が見当たらない。実需がなければ、ブレイクアウトはガス欠になる。価格上昇を維持するには買い手が必要だ」
今後の見通しについて、K33リサーチは、例年6月から10月にかけてスポット取引量が減少する傾向にあることを指摘。特に7月は年間取引量全体のうちわずか6.1%しか占めておらず、最も静かな月の1つとなっているという。これにより、今後数週間における新たな最高値更新の動きを妨げる可能性がある。
「2025年7月には、トランプ氏の予算案、関税政策の決定、仮想通貨に関する大統領令の期限など、価格を動かす可能性のある材料が控えている。しかし季節的なパターンを踏まえると、市場はニュースの多い環境にもかかわらず、低ボリューム・低ボラティリティのまま漂流する可能性がある」
一時的な上昇停止の可能性も
ビットコインが11万ドルに迫る上昇を見せたことにより、個人投資家の間ではFOMO(取り残されることへの恐怖)が高まり、さらなる上昇を期待する声が強まっている。
オンチェーンデータ提供企業サンティメントは、7月3日のX投稿で次のように述べた。
「ビットコインが10万9800ドルに到達したことで、仮想通貨市場のムードはFUD(恐怖・不確実性・疑念)からFOMOに転じた」
しかし、市場心理を示す恐怖強欲指数は73となっており、「貪欲」を示している。これはしばしば逆張りのシグナルとされる。
過去の例を見ても、個人投資家の楽観ムードが過熱すると、市場は反転または一時停止し、プロ投資家が買われすぎを利用して利益確定を行う傾向がある。
取引量が多く、投機的な取引が増えると、このような「貪欲」による上昇は一時的に価格を押し上げるが、その後に反落が起きやすい。
ビットコインの相対力指数(RSI)は、6つの時間軸のうち4つで買われすぎの水準に近づいており、短期的な調整が起きやすい「疲弊ゾーン」に突入している可能性を示している。
現在の高揚感を踏まえると、ビットコインが11万ドル台を試す中で、一時的な上昇停止や保ち合いが発生する可能性がある。こうした動きは、個人投資家の過熱感を「リセット」し、上昇トレンドの再開に向けた地固めとなるかもしれない。
サンティメントは次のようにまとめている。
「価格は個人投資家の行動と逆に動く傾向があるため、貪欲が高まる中で一時的な上昇停止が起きても不思議ではない」
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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