先月、中国で「幹部達へのデジタル通貨の知識(与领导干部谈数字货币)」という本が出版された。

タイトル通り、中国共産党の幹部に対してデジタル通貨のことを勉強するために書かれた本。マネーの歴史に始まり、中国人民銀行のデジタル通貨(DCEP)の進捗やフェイスブックのリブラの脅威などが書かれた研究書だ。

出版といっても、中央政府の幹部や首長などには手渡しで渡されたという本。出版元は中国共産党中央党校で習近平国家主席によるトップダウンでの司令書となっている。

この中で、リブラが中国の2大スマホ決済サービスのアリペイとウィーチャットにとって脅威になると認識しているのは特筆すべきポイントだ。今回のコインテレグラフYOUTUBEチャンネルでは、龍門キャピタル日本代表のサニー・ワン氏とともに、中国政府がリブラを脅威に感じる理由に迫る。

また、背景にあるのは、リブラ(米国)VS中国(DCEP+ウィーチャット・アリペイ)という複雑な構図だ。通貨の覇権をめぐりデジタルの分野でも高まる米中対立。ワン氏に詳しく聞いた。