スイスに拠点を置くクレジット・スイスとオランダのINGファイナンシャルサービスグループは、R3のCordaブロックチェーンプラットフォーム上で250万ユーロ(約3億3000万円)の有価証券を取引した。クレジット・スイスが1日に発表した。
 クレジット・スイスとINGは、担保貸付アプリケーション上のHQLAXデジタル担保レコード(DCRs)を使って、オランダとドイツ政府の国債所有権を取引した。従来の方法を使って個々の証券そのものを転送する代わりに、証券が紐づいているHQLAXのDCRリンクアカウントの所有権を転送することによって取引した。
 このDCRsを用いた証券転送によって、規制の透明化、システムリスクの緩和、運用リスクの低下に繋がり、金融機関の資産管理の効率性が高まるという。
 ING企業向け金融業務イノベーション部門のアイバー・ワイズマ部長は「真に革新的なのは、(デジタル台帳技術を使うことで)規制当局に台帳へ直接アクセスする機会を与え、その所有権や元々の場所まで全取引のデジタル記録を開示できることである。これまで透明性の低かった店頭での取引に比べ、この方法は金融システム全体をより回復性のあるものにするだろう」と述べた。
 ロイター通信が伝えたところによると、INGブロックチェーンイニシアチブの代表は、年末までに同技術の応用は活発になると見込んでいる。