ロシア、中国、韓国の仮想通貨団体からなる共同組織は、仮想通貨関連広告を禁止するグーグルなどに対し、5月に訴訟を起こす構えだ。ロシアのニュース機関TASSが27日に伝えた

 フェイスブックは今年1月末、仮想通貨関連の広告掲載を禁止すると発表した。誤解を招く表現や詐欺的な手法が多くみられたことが理由だ。これに続きグーグルは3月、同様に6月から広告を制限する計画を明らかにした。最近では、ツイッターも仮想通貨やイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の広告禁止の事実を認めた。ロシアの検索大手ヤンデックスも、同様の措置を検討しているという。

 フェイスブック、グーグル、ツイッター、ヤンデックスの4社に対し、訴訟を起こすのは、ロシア仮想通貨ブロックチェーン協会(RACIB)、韓国ベンチャービジネス協会、中国の仮想通貨投資家協会であるLCBTの3団体だ。

 RACIBのユーリー・プリパチキン会長は、モスクワで27日から2日間の日程で開催されたブロックチェーンのカンファレンスで、仮想通貨広告を制限する4社の措置が、仮想通貨市場に悪影響を与えていると述べた。

「4社はその独占的地位を利用していると確信している。市場を操作するために、お互いにカルテル協定を結んでいる。広告禁止が発表されてから、ここ数ヶ月間の仮想通貨市場は大きく落ち込んでいる」。

 RACIBら3団体は、訴訟費用などの準備をするためにユーラシアン・ブロックチェーン協会を組織した。地元メディアのRIAノーボスチによると、プリパチキン会長は「この問題に関心のある人は誰でも、新協会のファンドに資金を寄付できる」と述べている。また、訴訟対象の企業の株主が、仮想通貨のウォレットを保有している場合、株主に対しても苦情を申し立てると付け加えた。

「もし株主や役員が、会社の地位を利用し、仮想通貨のウォレットを個人的利益のために使っているのが判明した場合は、彼らも起訴の対象となる」。

 

 プリパチキン会長は、ワイオミング州など米国の複数の州は仮想通貨に忠実なことに言及していることから、訴訟は米国で起こすとみられている。ワイオミング州では過去2カ月間で、仮想通貨を州証券規制の適用除外にする法律などの仮想通貨優遇法を成立させている。