仮想通貨取引所バイナンスの最新商品であるデジタルストックトークンが、証券法違反の可能性があるとして欧州の規制当局による調査対象になっている。デジタルストックトークンは、テスラやコインベースのような株式の一部を表象するトークンだ。

フィナンシャルタイムズの報道によると、規制当局は、このデジタルトークンが有価証券と判断された場合、必要な情報開示が提供されていない問題があると考えている。ドイツの連邦金融監督庁(BaFin)は、FTに対して、この件について具体的なコメントはしなかったが、次のように述べている。

「基本的に〔中略〕次のことが適用される。トークンが譲渡可能で、仮想通貨取引所で取引でき、配当や現金決済などの経済的権利を備えている場合、トークンが有価証券と判断され、目論見書を発行する義務がある」

バイナンスのデジタルストックトークンを使えば、トレーダーは株式を保有することなく、デジタルトークンで表象される株式を100分の1分から購入できる。これは、ドイツの投資会社CMエクイティAGとスイスの資産トークン化プラットフォーム、デジタルアセットAGと共同で開発された。

バイナンス側は、FTにトークンは欧州連合(EU)の市場規則や、BaFinの銀行規制に準拠した商品であると語っている。

またバイナンスは、このデジタルトークンが法定通貨ではなく、バイナンスUSD(BUSD)で決済される点、また議決権のような株主の権利が付与されるわけでもない点を強調している。