仮想通貨取引所バイナンスは、企業の株式トークンの取引を開始する。まずは米電気自動車テスラ社の株式トークンから始める。ユーザーは、物理的な株券の保管が必要な従来の株式を購入する代わりに、デジタルトークンで表されるテスラの株式の100分の1から購入できる。

バイナンスは次のように述べている。

「各デジタル・トークンは1株の株式を表し、発行済みトークンを表す基礎となる有価証券の預託ポートフォリオによって完全に裏付けられている。ユーザーは端数のトークンを取引することができる」

株式トークンは、テスラ株の同数に相当するが、100分の1という小ロットから購入できることが強みとなる。株価は、米ドルにペッグされたステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)で決済される。なお、株式トークンは株式に交換することはできない。株式トークンは2020年10月に仮想通貨デリバティブ取引所FTXが世界で初めて始めたものだ。FTXなどは24時間取引が可能だが、バイナンスでは株式市場と同じ取引時間のみの提供となる。

バイナンスCEOのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、株式トークンが伝統的市場と仮想通貨市場との架け橋になり、「より包括的な金融の未来」をもたらすと話した。

株式トークンの取引手数料は無料。同商品はドイツの投資会社CMエクイティAGとスイスの資産トークン化プラットフォーム、デジタルアセットAGと共同で開発された。取引は中国、トルコ、米国などの管轄区域では利用できず、本人確認プロセスを完了する必要がある。

12日の発表によると、バイナンスの2021年第1四半期は、取引量が260%増、ユーザー数が346%増と好調に推移している。さらに、同取引所のネイティブトークンであるバイナンスコイン(BNB)は、今年に入ってから900%以上も暴騰している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン