仮想通貨研究者のケビン・ルーク氏は、一日のアクティブユーザーが300人を超える分散型アプリ(DApps)は、イーサリアム(ETH)とEOSで合わせて8つしかないという調査結果を発表した。分散型アプリが普及すればアプリに対する需要から仮想通貨の価格を予測をするファンダメンタルズ分析が可能になるという見方も出ているものの、普及率を上げるためには様々なハードルがあるが指摘されている。

dApps with more than 300 daily active users...

Ethereum: 5
EOS: 3

Most popular dApp by weekly tx volume...

EOS: EOS Bet ($18.1M)
Ethereum: IDEX ($7.3M)

Grab your popcorn folks, we've got another crypto clash unfolding 🍿 pic.twitter.com/wBSZYjkd0C

— Kevin Rooke (@kerooke) 2018年8月27日

「一日のアクティブユーザーが300人以上の分散型アプリ(dApps)…

イーサリアム:5
EOS:3

週間の取引量から見た最も人気なdApp
EOS: EOS Bet ($18.1M)
イーサリアム: IDEX ($7.3M)」

ちなみに、イーサリアムの時価総額は約280億ドルでEOSは約46億ドルだ。

分散型アプリの普及に向けて様々な課題が指摘されている。米国の仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)の共同創設者でゴールドマンサックスの元幹部であるフレッド・エールサム氏は、ブロックチェーン上でフェイスブックのようなプラットフォームをサポートするためには、イーサリアムは6万倍以上規模を拡大(スケーリング)しなければならない指摘。フェイスブックのようなプラットフォームは、1秒間に75万回のトランザクションがあるが、イーサリアムのメインネット上では1秒間に13−15回のトランザクションしか行えないという。イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、規模の拡大においてシャーディングやプラズマに期待している。

ただ、分散型アプリ普及に向けたハードルはスケーリングではないという見方も出ている。仮想通貨メディアCCN(Crypto Coin News)はユーザーインターフェース(UI)に改善の余地がある上、そもそも分散型アプリがほとんどのユーザーにとって聞きなれない言葉であると指摘。例えば、イーサリアム(ETH)ネットワークのガス(手数料)の仕組みについて初心者から理解を得るのは難しいと解説した。

また、仮想通貨相場の予測サービスを手がけるグノーシスの創業者マーティン・コッペルマン氏は、分散型アプリ同士のつながりが何よりも大事だと主張。「どのくらいの数の分散型アプリがつながりを持ち同じプラットフォームにいることの恩恵を受けられるか」に注目すべきとし、そうしたアプリに対する需要が今後のイーサリアム価格を決定する要因になるとみている。

参考記事
「あらゆる運営で分散型アプリ(DApps)を導入」 独最大のイーサリアムイベント主催者が発表
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、ガス高騰問題によるコストを発表