仮想通貨イオス(EOS)の開発企業ブロックワン(Block.one)は11月13日、EOSブロックチェーンのノード(コンピューター)を担うブロックプロデューサー(BP)の選挙手続きへの参加を開始すると発表した。BPは、ビットコインのマイナーに相当する存在で、この選挙により21のBPがEOS保有者によって選出され、ブロック生成・承認などを担当する。

小さいが、重要なEOS保有者

プレスリリースにおいてブロックワンは、EOS市場流通量の9.5%未満しか保有していないものの、「小さいが、重要なEOS保有者」だと主張している。このためブロックワンは、BPの選挙において投票決定権のほぼ1/10を保持していることになる。

同社によると、EOSの新規生成によるインフレによってこの割合は減少し続けているほか、新たに選出されたBPへの報酬として使用するそうだ。

「最終的に、EOSネットワークが従来同様健全で革新的であるようにするため、他のEOS保有者と積極的に関係し、ブロックプロデューサーの投票に参加する」

最小限で最高のパフォーマンスをうたう

EOSは、コンセンサスアルゴリズムDPoSを採用しており、21のBPがEOS保有者の投票により選出され、ブロックチェーンの検証ノードを実行する。

DPoSは、仮想通貨の保有量(ステーク)によって重みづけられた投票によって選ばれたノードがブロック承認を行うアルゴリズム。DPoSでは、通貨保有量が少ない人でも、保有量の多い(影響力の強い票)人から投票を獲得できれば、承認者に選出される。

EOSは、他のブロックチェーンよりも少ないノードにより調整されており、ネットワークの分散化にマイナスの影響を与えるという懸念を示す者もいるものの、ブロックワンはその点を利点と主張している。

「少数のマイニング組織により管理され、多大な電力消費により環境を破壊する可能性があるPoW(プルーフ・オブ・ワーク)ブロックチェーンより改善されている。EOSのBPは、世界中の数百万アカウントによって選出され、多数決によりいつでも変更可能な上、最小限で最高のパフォーマンスを提供する」

ブロックワンによると、EOS開発者は、少数で信頼性の高いノードによりネットワークを制御し、0.5秒のブロック生成時間、毎秒5000トランザクション(取引)を確保できるという。しかし、この高いパフォーマンスにもかかわらず、最近いくつか問題が発生した。

既報の通り、先月31日にEOSのブロックチェーン上でEIDOSというトークンが発行され、11月1日にEIDOS/USDT(テザー)の取引が始まった。EIDOSをUSDTに交換する人が増えた結果、EOSブロックチェーンが渋滞したと報道された。コインベースは、「現時点で、EOSの全ての取引活動の95%近くがEIDOSの契約だ」と指摘している。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン