今週、エルサルバドルでビットコイン(BTC)が法定通貨として採用された。このイベントは、仮想通貨コミュニティ全体によって大きく注目された。しかし一部の専門家は、このニュースの重要性が少し誇張されているのではないかと考えている。
フィデリティ・インベストメンツでグローバルマクロのディレクターを務めるジュリアン・ティマ―氏はCNBCとのインタビューで、エルサルバドルでのビットコイン法定通貨化の重要性が「少し誇張されている」と語った。
「エルサルバドルが米ドルをそのペッグから外したわけではないからだ」と、ティマ―氏は説明した。「通貨ペッグとしてドルからビットコインに切り替わったわけではない」。
エルサルバドルは米ドルを所有し、同国市民は米ドルで支払うこともできると指摘し、ビットコインを使うかどうかは選択的なものだと、ティマ―氏は付け加えた。
エルサルバドルではビットコインで支払うかどうかは選択的なものだが、同国の事業者はBTCの支払を受け入れることが義務付けられている。
ティマ―氏は、ビットコインが価値の保存手段ではなく、交換手段として初めてテストされているとも語った。ティマ―氏はその希少性と強力なネットワークこそがビットコインのコアとなる価値であると指摘したが、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)に基づくビットコインがイーサリアム(ETH)のような仮想通貨よりもスケーラブルではないとも強調した。
ティマ―氏は現在のビットコインを1960年代の金のような存在であり、今回のイベントが「成人式」のようなものだとも付け加えた。
「金は70年代に通貨から資産へと変わったが、逆にビットコインは資産クラスから通貨へと移行しようとしている」
エルサルバドルは9月7日からビットコイン法が施行され、世界で初めてビットコインを法定通貨とする取り組みがスタートした。