仮想通貨の大手企業であるコンセンシス(ConsenSys)の幹部が、欧州中央銀行はデジタルユーロを悠長に待ち過ぎると危機に瀕することになる、と述べた。

コンセンシス南アフリカのトップであるモニカ・シンガー氏は、世界の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の具体化における民間セクターの役割について議論するため、欧州ブロックチェーン代表者会議に参加した。同氏は、BNPパリバCIBでデジタルトランスフォーメーションのリーダーを務めるディーン・デメルウィーク氏とフランクフルト・スクール・ブロックチェーンセンターのフィリップ・サンドナー教授と行った月曜日のパネルで、CBDCを原動力とする利益と機会について語った。

シンガー氏は、南アフリカの証券保管振替機関のCEOを18年以上務めた人物であり、既存の金融制度は完璧には程遠いと考えている。

同氏によると、現在の金融制度は多くの仲介者が存在するために破綻しており、CBDCのような取り組みは中央銀行が自らの間違いを正すチャンスだという。そのようなものとしてCBCDは、世界で口座が持てない人たちが口座を持てるようにするとともに、民間セクターと最終消費者が資金にアクセスする費用対効果のもっと高い方法を利用可能にする手助けとなることができる、とシンガー氏は述べた。

同氏は、中央銀行がこの機会を逃せば、Facebookなどの民間のテック企業の最大手が提供する代替手段によって法定通貨が廃れる可能性がある、と語った。

「欧州中央銀行が2028年まで待つことにした場合、それまでに中央銀行というものは存在しなくなっているだろう。なぜなら、現在の形のユーロを誰が使うだろうか?本当にたくさんの選択肢が存在することになるのだ」