仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)のマイニングは、現在も活発に動いている。しかし一部企業への集中が問題視されており、「ハッシュレートの民主化」を損なう可能性が指摘されている。

マトリックスポートが主催し、マイニング企業のビットメインがスポンサーを務める2020年マイニング&投資サミットが24日にオンライン開催され、マイニングや仮想通貨関連企業が一堂に集まった。

その中でHASHR8のトーマス・ヘラー氏は、市場が現在、「ASIC供給が逼迫」しており、「大規模なマイナーグループが購入しようとしている」ことを明らかにした。マイニング機器製造のビットメインやマイクロBT、カナーンにはすでに2021年3月から7月までの受注があるという。

一部企業がマイニングを独占することでビットコイン供給が滞る問題について、ヘラー氏は次のように指摘した。

「北米企業はビットコインの蓄積を続け、マイニング事業を拡大している。ビットコインの供給逼迫につながっている」

機関や企業によるビットコインの購入は、ビットコイン価格を上昇させ、マイニング収益の増加に寄与している。その結果、新規や中古のASICマイニング業者の需要が急増している。大規模なマイナー業者は、ビットコインの供給が逼迫する中で事業を拡大しており、可能な限り多くのハッシュレートを取り入れようとしている。

こうした傾向は、マイニングにおける中国の支配が続く中で、業界のハッシュレートを民主化からさらに遠ざける可能性がある。ヘラー氏が指摘するように、ビットコインのハッシュレートの3分の2は中国を拠点とするマイニングファームに集中している。

ビットコインのマイニングは、機材や知識の面から個人では行いにくい。長年にわたり、マイニング業界は、マイニングプールなどによって支配されるようになってきている。プールの分布は以前ほど集中していないが、過去12ヶ月間では3つのプールがハッシュレートの45.3%を占めている。

出典:BTC.com「ビットコインのマイニングプール分布」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン