12月13日にビットコイン(BTC)価格が47,000ドルのサポートを失うなど、ボラティリティの高い相場となった。

この際ビットコインは8.5%の調整となったわけだが、アナリストからは12月15日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)が関係していると指摘する声も出ている。

投資家らは、米連邦準備制度理事会(FRB)がテーパリングを開始することの影響を懸念している。テーパリングとは、FRBが量的緩和政策に伴う資産買入を減少させていくことだ。これによりリスク資産の相場に影響があると考えられている。

この仮説を確認する方法はないが、ビットコインは12月12日時点ですでに年初来で67%の利益を上げており、投資家が市場の不確実性に先立ち、利益を確定させようとするのはあり得るだろう。

Top cryptos weekly performance on Dec. 13. Source: Nomics

テザーの4%のディスカウント

OKExのテザー(USDT)のプレミアムもしくはディスカウントは、中国でのピアツーピア(P2P)取引の需要を測る指標と考えられている。100%を超えてプレミアムがある場合、仮想通貨投資への需要が旺盛なことを示す。逆に、5%のディスカウントは一般的に大量の売却があることを示すと考えられている。

OKEx USDT peer-to-peer premium vs. USD. Source: OKEx

テザーの指標は12月13日に96%で底を打っている。これはわずかに弱気ではあるが、ビットコインの暴落を警戒するほどではない。ただし、この指標が100%を割ってから既に2か月以上が経過しており、中国のトレーダーからの熱狂が不足していることを示唆している。

12月13日の価格急落が投資家のセンチメントに影響を与えたことを調べるため、レバレッジ取引の清算額をみてみる。過去24時間の清算額は4億ドルになる。

Total derivatives exchange liquidations on Dec. 13. Source: Coinglass.com

重要な点は証拠金が不足して3億ドルのロングレバレッジ契約が強制的に終了させられた。この数字は、12月3日の暴落した際の21億ドルという清算額に比べるとそれほど重要ではないように見える。

弱気派の動きは?

仮想通貨市場が価格急落の影響を強く受けていないことを証明するため、先物契約についてみてみよう。これらの契約は通常、取引所がリスクバランスを取るために8時間ごとに手数料がかかる。

資金調達率がポジティブである場合、買い手側(ロング)がより多くのレバレッジを掛けていることになる。逆に資金調達率がネガティブな場合は逆で、売り手側(ショート)が勢いがあることになる。

Bitcoin perpetual futures 8-hour funding rate. Source: Coinglass

ほとんどの仮想通貨が13日に下落したことを考えると、全体的な市場構想は維持されたといえるだろう。ビットコイン価格が46,000ドルを下回る方に賭けるショート契約に多くの需要があるとしたら、資金調達率は-0.05%を下回っていただろう。

OKExでのテザーの4%のディスカウント、3億ドルのロング契約の清算、中立的な資金調達率をみると、弱気市場の兆候はないだろう。これらのファンダメンタルズが大幅に変わらなければ、ビットコインが42,000ドル以下にはならないだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
 

 

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