仮想通貨ベンチャーキャピタル(VC)の資金調達は、夏の流動性不足にもかかわらず、8月に復調の兆しを見せている。

DefiLlamaのデータによれば、8月の仮想通貨VCの資金調達額は6億3300万ドルに達し、7月の5億5000万ドルから15%以上増加した。

Blockchain investments by month. Source: DefiLlama

「ブロックチェーンインフラ開発企業がVCの関心を多く集めた」。こう話すのは、決済プロトコルM^0 ラボのCEO兼共同創設者であるルカ・プロスペリ氏だ。プロスペリ氏は、ブロックチェーンインフラへのVCの関心が続くと予想している。

「開発の初期段階であることを考えると、インフラレベル、ミドルウェアレベル(インフラと分散型アプリケーションレイヤーをシームレスに接続する部分)、そしてアプリケーションレイヤー自体など、様々なレベルで継続的な投資が行われると予想される。アプリケーションレイヤーでは、1990年代後半から2000年代初頭のようにすべてが再構築されるだろう」

VCの資本はブロックチェーン技術の継続的な開発にとって重要だ。8月のブロックチェーン投資の急増は、人工知能(AI)産業から仮想通貨へのVCの関心が戻りつつあることを示している。

その関心の高まりを示す例として、VC企業レムニスキャップは、8月28日にアーリーステージのWeb3スタートアップを対象とした新しい7000万ドルのファンドを確保した

AIから仮想通貨へ回帰か?

AI関連スタートアップが今夏、特に6月に多くの注目を集めた。センティエントによる8500万ドルの資金調達は、6月の最大の投資ラウンドの1つとなった。センティエントは、オープンソースのAIプラットフォームの開発を目指している。この資金調達ラウンドはピーター・ティール氏のファウンダーズファンド、パンテラキャピタル、フレームワークベンチャーズが主導した。

しかし、VCの関心は徐々にブロックチェーン分野に戻りつつあると、プロスペリ氏は指摘する。「AIセクターが過密状態に達した今、いわゆるディープテック投資家の一部が仮想通貨に再び目を向けている。これは、規制環境がより好まくなったという認識に基づいている。ただ、公平に言えば、この認識は現実に基づいているとは言い難い」

投資家は、11月の米国の選挙後に仮想通貨分野での規制の明確化を期待しており、これが今後4年間の多くのグローバル規制の方向性を定める可能性がある。

より多くのユースケースが必要

ブロックチェーンインフラは投資家からの関心を集めているが、仮想通貨は大量採用を促進するための「キラー」ユースケースがまだ必要だ。

コヴァレントのCEO兼共同創設者であるガネッシュ・スワミ氏によれば、より多くの実世界のユースケースが、ブロックチェーンのアプリケーションレイヤーへのVCの関心を引きつける可能性がある。

「VCはまだアプリへの投資には乗り気ではなく、すべての関心はインフラ投資に向いている。アプリが成功するためには、大規模なユーザーベースが必要であり、仮想通貨はまだその段階に達していない。アプリへの投資は早すぎるが、いくつかの有望な兆候はある」とスワミ氏はコインテレグラフに語った。

スワミ氏は、ビットコインおよびイーサリアムベースの上場投資信託(ETF)の承認が、AI分野からVCの関心を取り戻したきっかけになったと指摘した。

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