マンハッタン地区検事局は、SIMスワップといわれるプロセスを介して、個人情報や仮想通貨などのお金を盗んだとして、男性1人を起訴した。マンハッタン地区検事局が2月1日にプレスリリースを出した。

発表によれば、ダーソン・ベイキーズ被告は、米国内で50人以上から個人情報を盗み出した。またそのうちの何人かからはお金を盗み出したという。20歳のベイキーズ被告は、個人情報の盗難やセット、コンピュータの改ざん、詐欺の罪などでニューヨーク州の裁判所に起訴された。

マンハッタン地区検事局によれば、今回の事件はニューヨークでSIMスワップと呼ばれるものが使われた最初の事件だ。SIMスワップとは、犯人が被害者の携帯電話を乗っ取ってしまうことだ。被害者の携帯電話のデータを犯人の携帯電話のSIMにリダイレクトするようサービスプロバイダーを欺いて行う。電話番号を乗っ取ることができれば、被害者の2要素認証を突破することもできてしまう。

今回のベイキーズ被告は、少なくとも50人の人々のデータを、ベイキーズが所有する複数のiPhonenにリダイレクトさせた。プレスリリースによれば、彼はその後、被害者のグーグルアカウントや仮想通貨取引所のアカウントにアクセスし、パスワードを変更した。

そして被告は、マンハッタンに住む被害者3人から1万ドル相当のか仮想通貨盗んだほか、1人の被害者にはビットコインを支払うよう要求した。マンハッタン地区検事局は、追跡困難な仮想通貨を利用している被害者を選択し、標的にしていたと述べている。

昨年からSIMスワップを使って、仮想通貨を盗み出す事件が発生している。

昨年8月には、米国人の投資家マイケル・テルピン氏がSIMスワップの被害に合い、2400万ドル相当の仮想通貨が盗まれたことが明らかになっている

また2月1日には、SIMスワップを使って500万ドル相当の仮想通貨を盗んだ別な被告が懲役10年の刑となったことも報じられている