カナダの中央銀行であるカナダ銀行のポール・ビュードライ副総裁によると、ビットコイン(BTC)のような仮想通貨は、現在の導入レベルであれば、金融システムに重大なリスクとはならない。

ビュードライ氏は今週、カナダのオンタリオで開催されたイベントで、カナダの金融システムの安定性に対するリスクについて語った

仮想通貨がリスクをもたらすかどうかというテーマとなり、カナダ銀行はこれまで仮想通貨が金融システムにシステマティックなリスクをもたらすとは考えていないと、ビュードライ氏は語った。仮想通貨が「金融システムからは完全に切り離されている」ためだという。

「これは経済にとって大きなリスクであるとはまだ考えていないが、私たちは非常に関心を持って注視している」

ビュードライ氏はまた、投資家が「主に投機のために」BTCを購入しており、ビットコインなどの典型的な仮想通貨は決済ではあまり役割を果たしていないとも指摘した。

しかし、法定通貨や資産に裏付けられたステーブルコインなどのデジタル資産もあり、決済においてより大きな役割を果たす可能性があると言及。「私たちもそれには注目している」と、ビュードライ氏は付け加えた。

カナダは、ビットコイン上場投資信託(ETF)を世界で最初に認めた国として、仮想通貨に対してはフレンドリーな国の1つとして浮上している。またカナダは、仮想通貨マイニングが活発な地域の1つであり、ケンブリッジビットコイン電力指数によると、ハッシュレートで第4位に位置する国だ。

ただ、カナダ銀行は仮想通貨について何度か懐疑論を表明している。今年5月、ビットコインのような暗号資産は機関投資家に採用され始めているが、依然として非常にリスクン高い資産であると指摘していた