インドの仮想通貨取引所コインDCXが18日にハッキングされ、4400万ドル相当の不正流出が発生した。

ハッカーが仮想通貨取引所コインDCXの内部口座の1つに侵入し、他の取引所との「流動性提供」に用いられていた口座を標的にしたことが判明した。攻撃はサーバーへの侵入を通じて行われた。

コインDCXのスミット・グプタCEOによると、この不正アクセスによって顧客資産に影響は出ていない。同氏はすべての顧客資金が安全に保たれているとした上で、次のように述べた。

「問題の口座は速やかに隔離され、被害は封じ込められた。弊社の業務用口座は顧客のウォレットとは完全に分離されており、影響は当該口座に限定されている。この損失については、弊社の財務準備金から全額補填する」

オンチェーン分析を手掛けるZachXBT氏によると、盗まれた資金の一部は、トルネードキャッシュ経由でソラナからイーサリアムにブリッジされた。

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不正流出した資金の流れ. Source: ZachXBT

コインテレグラフはコインDCXにコメントを求めたが、記事掲載時点では返答を得られていない。

アナリストのInfinity Hedge氏は、ちょうど1年前の同日にインドの人気取引所ワジールXが2億3500万ドル相当のハッキング被害を受けたことに言及し、仮想通貨業界および投資家が直面するサイバーセキュリティ上の脅威が依然として根強いことを強調した。

先月にも別の仮想通貨取引所で被害

2025年6月18日、イランの取引所ノビテックスが政治的動機に基づくハッキングを受け、1億ドルの資金が流出した。犯行声明を出したのは、イスラエル支持を掲げるハッカー集団「ゴンジェシュケ・ダランデ」。このグループは資金を盗んだだけでなく、ノビテックスのソースコードもインターネット上に流出させた。

また、7月9日にはアービトラム・ブロックチェーン上で稼働するGMXプロトコルのバージョン1(GMX V1)がサイバー攻撃の被害を受け、約4000万ドル相当の仮想通貨が奪われた。しかし後日、ハッカーはその資金を返還し、ホワイトハット報奨金として500万ドルを受け取った。

分散型金融(DeFi)プラットフォームであるアルカディア・ファイナンスも7月15日にスマートコントラクトの脆弱性を突かれ、約350万ドルの被害を受けた。脅威主体は高度に設計されたエクスプロイトを用いて資金を抜き取ったとみられている。

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