米ドルと1対1で連動したステーブルコイン、テザー(USDT)が25日、2億5000万ドル分のトークンを発行した。オムニ・エクスプローラーのデータから明らかになった。

 3月末、テザーは3億ドル分のトークンをリリースし、ビットコイン(BTC)の値動きに影響を与えた。このリリースは、ツイッターの仮想通貨コミュニティ内で非難を呼んだ。監査法人による監査が行わておらず、テザーが実際に裏付けとなる米ドルを保有しているのかどうかはっきりしていなかったためだ。

 また最近では、テキサス大学の研究者が、テザーが2017年のビットコイン価格の操作に使われたとする論文を公表し、テザーのCEOがそれに反論するニュースもあった。

 先週、米法律事務所がテザーの銀行口座を確認し、6月1日時点で、テザーが裏付けとなるドルを保有しているとの報告を行った。ただこれは、監査法人による正式な監査ではないと、法律事務所側も強調している。

 ライトコインの創設者であるチャーリー・リー氏は、2億5000万のUSDT発行は、同額のドルが仮想通貨取引所に入金されたことと同じであるとし、これは仮想通貨の購入に使われることで直接の価格上昇を必ずしも排除するものではないことを意味するとしている。

(一般的に、これは価格上昇の先駆けとなっている。人々がドルを入金し、USDTを受け取ると、テザーが発行される。このUSDTは仮想通貨の購入に使われる。これは誰かが取引所に2億5000万ドルを入金したようなことだ。もちろん、彼らがすぐに買うことを意味しない。自身で調べてくれ)

 記事執筆時点で、ビットコインは約6%上昇し、足元では6270ドルで取引されている。