イーサリアム開発企業であるコンセンシスは、ヘルスケア関連の部門を分離し、新たにコンセンシス・ヘルスを立ち上げると発表した。コンセンシス・ヘルスは、ヘルスケア分野でのブロックチェーンのユースケース開発に取り組む。
今回のヘルスケア部門のスピンオフは、コンセンシスの戦略転換の一部だ。コンセンシス本体は、CodefiやInfuraといったコアプロダクトの開発を優先させるとし、それ以外のプロジェクトについては本体から分離し、別組織化する方針だ。
コンセンシス・ヘルスは、医療業界へのブロックチェーン技術の適用に焦点を当てている。特に医療費の高騰が問題化している米国でのコスト削減に取り組む考えという。
コンセンシスのジョセフ・ルービンCEOは、今回のスピンオフについて「コンセンシスによって構築された強力な技術を活用し、業界のリーダーとチームを組むことで、ヘルスケアの最大の課題を解決する機会となる」と語っている。
新会社のトップには、コンセンシスでヘルスケア部門の指揮を執っていたヘザー・レイ・フラナリー氏が就任する。同氏はブロックチェーンとヘルスケアを組み合わせたイニシアティブに取り組んできており、イーサリアム企業連合(EEA)のヘルスケアグループなどにも参画している。
医療分野でのブロックチェーンの適用
米国の医療l市場は1人あたりのコストが高く、OECD諸国の中でも最も高い数値となっている。
コンセンシスは、ブロックチェーンを活用することで、管理コストの上昇などに対処することができると考えている。ブロックチェーンを使い、データ共有をより安全かつ迅速にし、医療サービスへのアクセス拡大を目指す。
コンセンシス・ヘルスのフラナリー氏は、次のように語っている。
「ブロックチェーンや機械学習などの多くの新しいイノベーションにより、古い問題に新しい方法で取り組むことができる。これにより、患者と医療提供者のエクスペリエンスの改善、新しいビジネスモデル、そして最終的には持続可能な医療システムの可能性が開かれる」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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