仮想通貨取引所のコインチェックから不正に流出した約580億円分のNEMが、ほぼ全額ほかの仮想通貨に交換されたことがわかった。複数の報道機関が、専門家の話として伝えている。交換された仮想通貨は追跡が難しいため、流出したNEMの回収は事実上不可能となった。

 コインチェックからの不正流出に関与したと思われる人物は、ダークウェブ上に、NEMとほかの仮想通貨との交換を呼び掛けるサイトを開設していた。22日、同サイトでネムの交換可能額を示す数字がゼロとなった(その後、金正恩氏の写真に「サンキュー」と添えられた画面に切り替わっていた)。

 3月中旬までの交換額は流出額の半分程度だった。NEM財団が今月20日にネムの追跡を停止していたことを発表すると、交換の動きが加速していた

 コインチェックから流出したNEMを巡っては、同社は12日からNEM保有者への補償を開始している