米国最大の仮想通貨取引所コインベースが米国のヘッジファンドであるタイガー・グローバルと既存の株主から新たに最大5億ドルの出資を受ける見通しと2日付のリコードが関係者の話として報じたこれによりコインベース の企業価値は80億ドル(約9000億円)に到達し、米国のスタートアップの中でもトップクラスに躍り出ることになる。

コインベースは2017年の夏に15億ドルの企業価値があると報じられたが、これは2017年年末にかけて強気相場が始まる前だった。今年に入って仮想通貨相場は低迷しコインベースの手数料ビジネスに逆風が吹いているものの、ブライアン・アームストロングCEOはコインベースは取引高の谷と底に焦点を当てておらず、「世界中で使えるオープンな金融システムの構築」を目指していると発言していた。

リコードによると、コインベースとタイガー・グローバルは今回の増資に関してコメントを拒否したという。

コインベースの躍進は止まる気配がない。9月にはわずか7ヶ月で従業員を倍増させて500人の体制を構築したと報じられたほか、世界最大の資産運用会社ブラックロックと組んで仮想通貨のETF(上場投資信託)の創設を検討しているという報道もあった。またアームストロングCEOが、仮想通貨版のニューヨーク証券取引所を目指すという野心を語っていた

先日、ゴールドマンサックス出身で米仮想通貨ファンド「ギャラクシーデジタル」マイケル・ノボグラッツCEOは仮想通貨業界の労働市場やインフラ市場は「強気だった」と発言しており、今回のコインベースに対する増資報道もこの「強気市場」を裏付ける形となった。

一方、同業のバイナンスの2018年第1四半期の利益は、ドイツ銀行を超えてナスダックに肉薄する数字だったと報じられている