米国の仮想通貨取引所コインベースが展開している機関投資家向けデジタル資産保管サービス「コインベース・カストディ」が、コールドウォレットを介した初の店頭取引(OTC)業務を先週完了したと発表。コインベース・カストディが同社OTCトレーディングデスクと統合されてたことが明確になった。2019年3月13日、同社ブログで明らかにした

買い手と売り手が直接取引をするOTC取引は、顧客の(オフラインの)資金に手軽かつ即時の流動性を提供するとされており、カストディサービスを利用中の顧客の場合、短時間で自分の資金にアクセスできるようになる。

2019年2月、アームストロングCEOは、ウォレットを使った仮想通貨カストディ(資産管理)に関する4つの誤解について解説記事を公開した。柔軟かつスピーディーに仮想通貨を取引するには、ホットウォレットが必須という考えは誤解であるとし、特定のプラットフォームではユーザーが遅延決済を使用してOTC取引を行える点を指摘。取引が実行されるまで、仮想通貨はコールドウォレットに存在しているとした。

またアームストロング氏は、コンセンサスアルゴリズムとしてDPoS(デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)を採用した仮想通貨であれば、仮想通貨獲得の際にホットウォレット上での保管が必須というわけではないと説明。コールドウォレットまたはホットウォレットであることと、秘密鍵の数とは、無関係である点も解説した。ハードウォレットより高度な「ハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)」製品と、コールドウォレットの違いにも触れた。

コインベースは2018年11月、機関投資家向けOTC業務を開始。当時の営業部長クリスティーン・サンドラー氏は、機関投資家からのOTC取引の需要の増加を指摘した。また、2018年7月に開始した機関投資家対象のデジタル資産保管サービス「コインベース・カストディ」と、OTC業務とを統合する可能性があることを明らかにしていた。

また3月13日、コインベースは、メインプラットフォーム上のユーザーアカウントを、同社ウォレットアプリとリンクさせるサービスを発表した。これにより、メインアカウントからウォレットアプリに仮想通貨を迅速に転送可能になった。将来的には、ウォレットアプリからメインアカウントに仮想通貨を送付することを許可する予定だ。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Coinbase Custody Conducts First OTC Trade From Cold Storage