ステーブルコインUSDCの発行元であるサークルは、現在も新規株式公開(IPO)を計画しているが、同時にリップルやコインベースとの売却に関する非公式な協議も進めている。フォーチュン誌が報じた

フォーチュン誌が引用した4人の銀行およびプライベート・エクイティ関係者によると、サークルは少なくとも50億ドルの企業評価を求めており、これは同社がIPOで目指している金額と一致している。リップルは4月30日に40億〜50億ドルの買収提案を行ったが、金額が不十分として拒否されたという。

リップルまたはコインベースがサークルを買収する場合、それぞれの支払い方法は異なる。リップルは現金と、自社が発行した暗号資産XRPで支払う意向を示しており、一方のコインベースは現金と自社株での支払いを検討している。

コインベースとサークルの関係は2018年にさかのぼる。両社は「センター・コンソーシアム」を共同設立し、USDCを含む法定通貨担保型ステーブルコインの標準を策定することを目的としていた。またコインベースは、USDCを自社取引所に上場させる契約もサークルと結んでいる。

サークルは4月1日にIPOを申請し、月内の上場完了を目指していたが、4月4日には経済不透明感を理由に計画延期の可能性も示唆していた。

市場回復でIPO環境に追い風

ビットワイズは2024年12月に「2025年は暗号資産関連企業のIPO元年になる」と予測していたが、その流れは現実になりつつある。サークルに加え、仮想通貨取引所のジェミナイやクラーケンも2025年〜2026年初頭のIPOを検討している。これは、米国でドナルド・トランプ大統領のもとで仮想通貨に好意的な規制環境が進んでいることが背景にある。

ただし、こうしたIPO計画は、トランプ政権による大規模な関税導入によって一時的に中断されていた。現在はその関税が停止・縮小され、市場は回復傾向にある。

コインテレグラフが5月12日に報じたところによれば、ビットコイン(BTC)は過去最高値である10万9,800ドルに4.8%差まで迫っており、イーサ(ETH)、XRP、ソラナ(SOL)も過去1カ月で大きく値上がりしている。株式市場も好調で、グーグル・ファイナンスによるとS&P500は過去1カ月で15.6%上昇した。

この市況を背景にIPOで成功した企業も登場している。イスラエル拠点のトレーディング企業イートロは5月14日にIPOを完了し、上場初日に株価が29%上昇した。

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】