中国政府主導のブロックチェーン・プロジェクトであるブロックチェーン・サービス・ネットワーク(BSN)の公式ウェブサイトが10日、英語表記に対応した国際版を立ち上げた。英語でもプロジェクトの概要を周知することで、世界中の開発者の参加を呼びかける。

6つのパーミッションレス・ブロックチェーンとの統合

中国の民間企業でBSNの創設メンバーであるRed Dateテクノロジーのへ・イファンCEOはコインテレグラフに対し、新ウェブサイトでは開発者がポータルを通じてBSNのサービスやパブリックチェーンのサービスが利用できるようになると強調した。

グローバル向けの新たな取り組みとして、BSNはイーサリアムやEOS、Nervos、テゾス、NEO、IRISnetの6つのパブリックチェーンを統合。これにより、開発者は分散型アプリケーション(DApps)を構築し、海外のBSNデータセンターのデータストレージと帯域を介してノードを実行できる。

BSNの主要パートナーにGoogleとAWS

ウェブサイトによると、BSNプロジェクトではIRITAのインターチェーンサービス・ハブと分散型ネットワークであるチェインリンクを介して、「インターチェーン・コミュニケーション・ハブ」と呼ばれる計画を2020年10月に予定しているという。

さらにBSNのパートナーとして、世界的な大手テック企業やブロックチェーン企業が多数掲載されている。

クラウドサービスプロバイダーとしてはグーグルとAmazon Web Service(AWS)が入っており、ブロックチェーンサプライヤーとしてハイパーレジャーの名前もある。

イファン氏は「主要なクラウドサービスプロバイダー数社から、BSNのアイデアやビジョンに共感してもらい、素晴らしいサポートを受けている。」と話した。

2019年10月に最初に試験的に実施された中国のBSNネットワークは、政府が支援するブロックチェーンイニシアチブ。中国の国家情報センター(SIC)が主導する。中小企業がパーミッションブロックチェーン上でブロックチェーンアプリを構築して展開することを支援するという位置づけで始まった。ブロックチェーンアプリケーションの開発やデプロイ、運用・保守、規制などにかかるコストを大幅に削減でき、中小企業のブロックチェーンへの参入障壁を減らすことが期待されている。

SICなどによると、現在、ローカルエリアネットワークで、3ピアのコンソーシアム型ブロックチェーンを構築するには約10万元(約150万円)が必要だとしており、BSNによってこのコストを2000〜3000元(約3万〜45000円)まで削減できるとしている。

2020年4月には世界的な商用利用に向けて正式に開始。7月には、パブリックブロックチェーンの統合に関する意見が分かれ、2つの独立したエンティティ「BSNチェーン」と「BSNインターナショナル」に分かれたことが報じられた。BSNインターナショナルにはイーサリアムやEOS、テゾス、ナーボス、ネオが組み込まれた。

 

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン