アジアからのキャピタル・フライト(資本逃避)が仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)が’8月に上昇した理由だとの声が上がっている。

ビットコイン強気派のマックス・カイザー氏は、アジアでの地政学的な緊張の高まりがビットコインが12000ドルに上昇した理由だと主張した。

BTCでなければ持っていけない

カイザー氏は8月10日のツイートで、ビットコインは国境をこえて、大量の資産を海外に移動させるための堅実な手段であると指摘した。現在の米中間の緊張の高まりが市場に影響を与えるリスクがあることから、アジアでは多くの人々がビットコインを使って資本を海外に逃避させているという。

カイザー氏は「アジアからのキャピタル・フライトがビットコイン・エクスプレスを利用している」と表現した。

中国人が2万8000ドル相当の金塊を持って米国に不法入国したという報道がある中で、カイザー氏は世界で最も人気の高い安全資産である金とビットコインを比較し、ビットコインは海外に財産を移動させる数少ない方法の一つと主張した。

「ビットコインでない限り、財産を持っていくことはできない。(金では不可能に近いが)ビットコインでは財産すべてを持っていくことができる」

国家安全維持法は、「どこか別の場所」に金を捨てることを誘発する

カイザー氏は発言について、具体的な状況は明らかにしていない。しかしフィナンシャルタイムズが、香港国家安全維持法の施行を受けて、香港の富裕層が金を大量に移動させていると報じたばかりだ。

香港に拠点を置く金の販売・保管企業であるJ Rotbartのジョシュア・ロットバート氏は、国家安全維持法の可決後に金を「どこか別の場所」に保管したいという、香港の住民からの要請があったと述べた

7月始めには中国の国家安全維持法への批判が続く中で、クレディ・スイスやHSBCなどの大手銀行が香港顧客へのサービスを制限していると報じられた。

また、モーガン・クリーク・デジタルの共同創業者であるアンソニー・ポンプリアーノ氏は、ビットコインのデジタルという特性を持つことから、いずれ金よりも大きな市場になると予測している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン